週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」240Q「大マジメさ」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 やったことない人には今一つピンと来ないであろう例えで申し訳ないですが、「将棋」を思い出す展開でした。「飛車」、「角」などのスーパープレイヤーは花形(キセキの世代とか火神)ですが、勝利のためのトータルな戦略・戦術においては「歩(降旗)」も大事で意義がある、と。そして、全国大会決勝レベルにもなると、「歩」もすさまじい修練を積んでおりクオリティを有する、と。

 絶対勝者赤司くんに、敗北者連合、弱者連合が挑む的な構図になってるので、作中では弱キャラだった降旗くんが決勝というステージでも得点を決めるという絵はカッコ良かったよ。別作品で申し訳ないけど『はじめの一歩』に「ラッキーパンチだとしても拳は生きている」という思想があります。結果だけ見ればたまたま当たったパンチだとしても、その一発のパンチの背後に無数のパンチを放った膨大な修練があり、やはりその一発は「生きて」いたのだという。バスケでも、戦術とか相性とかタイミングとかたまたま噛み合っての得点だったと見えたとしても、その選手のシュートの背後には膨大な練習がある。

 今話に限っては洛山の無冠の五将の面々もなんかフレンドリーなくらいの雰囲気も感じるのは、敵味方であろうと、膨大な練習に克己してきたという点は共有体験で誰もネガティブに捉えない、という話だからかも。表現上今回はイケメンに見える降旗くんの絵と、その背後にある修練は見ていましたよといわんばかりの黒子のカットが良かった感じ。





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