ネタバレ注意です。
森から迷い込んだインベスからみんなで街を守ろう的提案に対して、「そういうこと考えられるのは勝者の余裕」という世知辛い世情が描かれる。みんな禁断の果実を求める的、進歩したい、上昇したい、支配したいという欲求のもとの競争に忙しくて、街の片隅で貧窮してる人に手を差し伸べるとか、やってられない。これ、黒影とグリドンはことの他重要なキャラだと思ってるんですよね。こういう、禁断の果実を求める的競争ゲームの中ではどうにも「勝てない」連中が、どう仮面ライダーになるのか、という辺りは見てみたい。『仮面ライダーカブト』のクライマックスも、矢車さんが何故か天道と加賀美に混じってトリプルライダーキックする所だからね(え)。
そして、ダンスチーム同士の抗争レベルのそういった競争ゲームも、とりあえず勝者の余裕だったのかもしれないけどやってみた鎧武のインベス退治に人助けも、現時点では全てユグドラシルコーポレーションの掌の上なのだった……という構図。支配者層と、踊らされてる層。貴虎兄さんと光実の会話のシーンが対立構造になってるけど、必ずしも貴虎兄さんが優勢と描かれてるかというとそうでもない気がする。「支配者層に回れ」っていう主張が、うむ、現実ならそれが賢明だろうと思う反面、どこか貴虎兄さんも不自由そうで、また貴虎兄さんもさらに大きな何かの掌の上にいるような感じもある。一方で逃避的にダンスチーム抗争に参加し、とりあえず仮面ライダーやって、本当の動機は舞さんで、全てはまだ兄の掌中という光実くんは、一歩引いて見ると現時点ではアチャーな状態だけど、それでも限定条件(何者かの掌の上にいる条件)なりに、スマホで位置情報作戦やったり、工夫を凝らして戦ってる様は、「自由」の断片を生きてるように見えなくもない。オープニング、龍玄は錠前で閉じられた網を銃でブチ壊すんだよね。けっこう光実くん好きになってきてる。
そして次回はいよいよ貴虎兄さんの変身シーンっぽい。イイ大人だけど、ポーズ決めてメロンかぶるよ!
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→次回:仮面ライダー鎧武第10話「ライダー大集結!森の謎を暴け!」の感想
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