週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」243Q「私の勝ちね」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 日向VS実渕玲央のシューターとしての対決は、いわく「格付けが済んだ」という形でこの時点では実渕の勝利に。「格付け」っていうのは過去編ラストで赤司くんが「キセキの世代」の内部でも順列を付けるということを言っていたのと同じ側の思想。赤司くん、黄瀬くんは模倣とオリジナルは違うって言ったシーンで実質格として勝ったし、緑間くんは直接対決で勝ったし、if青峰くんと思われた試合開始時のゾーン火神にも勝ったし、過去編で紫原くんには勝っている、と、これまでちゃんと「キセキの世代」内部の格付け的に勝者におさまってるのね。で、黛さんは現時点で黒子に勝ってるし、今回実渕も日向に格付けとしては勝ったし、と、洛山側が赤司くん登場時の作中重要台詞、「全てに勝つ僕は、全て正しい」を体現する側として描かれている感じ。この作劇を取るなら、残念ながら木吉も一旦は根武谷に敗北する展開になるのかな。

 ゾーン(火神)、ステルス能力(黒子)、スリー(日向)と、それぞれの特性を敗られる展開が続いているので、イーグルアイ辺りも危ないか。そして、これはずっと作品全体の縦軸のストーリーでも描いてきたことだけれど、そうやって勝者の前に敗れ去った敗北者側が、どう反逆を決めるのか。その点をどう描くのかというのはバスケ漫画という枠組みを外しても興味深いです。赤司くんの言い分は正しいけど、そうは言っても敗北者の荻原シゲヒロのリストバンドの片方を後生大事につけてる黒子の心情も間違ってるとは言ってほしくない、と感情移入させてると思うので、この作品の決勝戦での対立項は本当上手いと思うのです。

黒子テツヤ(CV:小野賢章)
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2014-03-26


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