週刊少年ジャンプ連載分の「黒子のバスケ」244Q「アカンやろ」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 日向VS実渕に続いて、木吉VS根武谷も個人能力では誠凛側が敗北。伊月も黛を抑え込めてる訳ではないとイーグルアイの隙をつかれてと、個人VS個人では劣勢に。

 大きい流れとして過去編のバッドエンドを現在で乗り越えるという作劇の『黒子のバスケ』という作品なのですが、順当に現在編の決勝戦が過去編ラストの「帝光中学」VS萩原シゲヒロのチームをリフレインする形になっています。洛山は赤司くんがいて、個人技に優れ、またユニフォームまで過去編の帝光中学にちょっと似てるという徹底ぶりで、一方で誠凛は連帯重視のチームだったり、バスケを楽しんでる点で過去編の萩原シゲヒロのチームに似ている。そこまで重ねた上で、じゃあどうやってif萩原シゲヒロのチームたる現在編の誠凛は過去を乗り越えられるのか、という描き方に突入していっている。

 「黒子が決勝戦でコートに立ててない」という状況まで過去編の決勝戦とリフレインさせてるんですね。どういう現在編の解答として黒子が当事者として参戦するのか楽しみ。

 あとは、やはり「過去編にはいなかった男」という描き方が徹底されてる火神。今話でも、火神だけは葉山に負けてないのね。萩原シゲヒロのチームには火神はいなかったし、あの決勝戦では黒子はコートにいなかった。だが現在は、というクライマックス。燃える。

 ずっと言ってるけど、描かれるであろう「過去編にいなかった男」火神のターンは楽しみなのです。氷室とのリングを付けてる辺りもポイントで、絶対勝者主義の赤司くんに対して、敗北者の意義も汲んでる男して描かれている。かつ、過去編の萩原シゲヒロのように無力でもない。思うに、作中で唯一、「キセキの世代」になれなかった者達(陽泉戦の氷室で描かれてた辺りね)の意義を受け継ぎながら「キセキの世代」と互角の強者ってキャラなのか。

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小野賢章
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2014-02-21




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