ネタバレ注意です。
個人能力戦において二年生組が敗北し、火神が取り返すも、赤司くんが火神をも個人能力で上回ってると誇示するようなアリウープを決め、25点差という展開。
ここにきて、ついにサブタイトルにも入り、劇中でも焦点があたるという形で、「奇跡」ワードが。
かたくなに、「奇跡」なのか「軌跡」なのか分からないように「キセキの世代」と作中ではカタカナ表記で使われてきたワードです。
過去編のバッドエンドを乗り越える、という物語構造が大きくはある『黒子のバスケ』という作品。この最終戦の展開でこのワードに焦点をあてる以上、過去編バッドエンドの「キセキの世代」とは違う、何らかの過去を乗り越えた現在版「キセキ(「奇跡」なのか「軌跡」なのか、あるいはその両方なのか)」が起こる、生じる瞬間を描くんだろうな……。この全てが収束点に向かってる感が凄い。
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今話と直接関係ないですが、アニメ『黒子のバスケ』二期の方の新OP&新EDがえらく熱いので軽く感想。
OP、冒頭のくすんだバスケットゴールの映像からしてヤバい。そこで、一人ボールを放る黒子。そうだよね、これが新品でピカピカのバスケットゴールじゃダメなんだよね。今ではもう壊れてしまった共同体(過去編帝光中学時代の「キセキの世代」という共同体)、色褪せてしまったけれど幸せな時もあった過去に、ケリをつける物語だからね。
黒子ともう一人、「あの頃の幸せだった共同体」に想いを馳せ続けている桃井さんがカットインする所も泣けるし(桃井さんも、9巻の「またいつかバスケやろーね! みんなで!」は、どこかでもう叶わないと分かって言ってるんだよね。)、OPでもEDでも印象的に映る黒子の片側のリストバンドがもう、原作組には意味が分かるのでグっとくる。そのリストバンド捨てて、過去とかなかったことにして新しい人生始めますって言える人だったらどんなにか楽だったのに。もう一度長い時間かけて自分なりのものを構築して、赤司くんにぶつけないと進めなかったんだよな……。今原作漫画で描かれているのはそういう箇所だ。
そして、EDのラストは誠凛メンバーたちで、新しいバスケットゴールを設置してるシーンで終了するようになっている。おそらく、OP冒頭の一人で過去と向き合ってた黒子と対になるシーンで、現在〜未来の「新しく構築していくこと」の比喩で場面を閉じているわけで。
こんだけ演出して、アニメ二期はVS青峰くん再戦の桐皇戦決着やるんだもんな。泣くよ。
→前回:黒子のバスケ(ジャンプ連載分)244Q「アカンやろ」の感想へ
→次回:黒子のバスケ(ジャンプ連載分)246Q「まだだよ」の感想へ
→黒子のバスケ/第1巻〜第16巻(ウィンターカップ桐皇戦決着まで)一気読み時の感想へ
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