週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第22話「ないもの同士」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 刀太、「何かわからねーけど腕から力がわいて」くる状態。『ネギま!』のネギの「闇の魔法(マギア・エレベア)」を受け継いでいてそれが発動しているということだと思うのだけど、本人はよく分かってないというのがいい。歴史の文脈の中で、お祖父ちゃんが追加してくれていたリソースに、知らずに助けられている。

 記憶がないので刀太も「ないもの」だというシーンも、背景にネギの追った理想とリンクする軌道エレベータが映っていて良い感じの絵に。「記憶がない」というのは劇中の刀太のことなのは勿論、『UQ HOLDER!』からの読者には『ネギま!』の物語の記憶がない、ともメタに読める。また我々の現実でも、さすがに個人の記憶を失ってる人は少ないけれど、歴史的にどういうことがあって、今の世界・社会があるのか、みたいな話になると、よく分からないで現在を必死に生きてるのが現代人一般だと思う。そういう点で、記憶の継承から断絶しながら生きてる、という点には広く共感できる。だけど、確かに『ネギま!』という作品も物語もあって、「闇の魔法」は刀太に受け継がれているらしいように、現実でも先の時代の歴史・物語(History/Story)があり、そこから何かしらのリソースを無自覚なまま受け取って、現代の人は生きている、とまで感じられた部分。

 その流れで、ラストは灰斗の瞬動VS刀太の瞬動で引き。これは、瞬動術の点では灰斗も刀太も同じだけど、刀太の方に何かしらの要素が追加されて上回る的な展開なのかな。ここ数話の展開上、それは「(本人は無自覚の)歴史のリソース」的なものなのだろうか。もしかして、刀太はネギの「開発力」とかも継いでるのかな。あるいは引き続き「ネギと結婚するのは古菲説」を押してるので、古菲の瞬動術炸裂とかでも熱い。

→第2巻予約開始



→最終回には赤松先生も「コンセプチュアルな"東京の群衆のシーン"」で参加。『はじめの一歩』の森川ジョージ先生が描いた東日本大震災を題材とした漫画『会いにいくよ』も予約開始。(企画発表当時の広報がそのままなら、初版売上の何パーセントかが震災関係の寄付にまわされるとのこと。)



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