『仮面ライダー鎧武(ガイム)(公式サイト)』第20話「世界のおわり 始まる侵略」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 展開が早いです。

 錠前で閉ざされたステージの中で戦っていたのが、錠前を開いて次のステージへと進んでいく、劇中で印象的に使われている錠前からしても、そういう物語の進め方をしてるのだと思っていたのですが、もう次のステージに進んだ感じ。

 前回で、「ビートライダーズ同士の抗争」のステージから、「VSユグドラシルコーポレーション」のステージに話が進んだと思ったのですが、今話ではもう次のステージ「地球の人々VS侵略者であるヘルヘイムの森」が見え始めている、という。「VSユグドラシルコーポレーション」のステージでは戒斗が紘汰の共闘者に変わり得る、と描かれていたのが、もう「VSヘルヘイムの森」のステージだと、貴虎兄さんすら紘汰の共闘者に変わり得るやも、という雰囲気。

 しかし、ユグドラシルコーポレーションという資本拡大の力の前に戒斗の親の工場は淘汰された、というような、禁断の果実を食べる的な進歩していくという志向、それに基づく拡大競争の中では、「淘汰される側」が出てくるよね、というのをこれまでかなり印象的に描いていて、ステージが上がったらユグドラシルも含めた人類全体がヘルヘイムの繁殖(これも拡大を目指すような衝動かと)の前に「淘汰される側」だった、とか凄いな。

 こういうストーリーの流れの中で印象的に出てきた見解は3つくらい感じられて、1つ目は今話時点では弱々しい、というか紘汰自身も混乱してるんだけど、情報公開して人類全部で協力して脅威に立ち向かえないのか? という見解。

 2つ目は、主に貴虎兄さんが語っていた、この手の人類規模の危機の場合は、力を持った選ばれた有資格者のみで、脅威に立ち向かった方が良い、という見解。

 3つ目は、一番カオスというか、情報公開しちゃって、混乱とかパニックとか起こっても、その中で強者と弱者が分別されるなら、それが真理じゃないか、というような戒斗の見解。

 どれが正しいのかと考え始めるとたいへん難しいし、まだ20話なので、劇中の終盤では別解を目指すのが描かれる気もしておりますが、大変時代性も感じられる話で面白い。特に貴虎兄さんと紘汰の見解の違いは、民衆を信じられるか、というような話と繋がっていて、印象的にもう一方のパートである、鳳蓮たちと先導されてしまう衆愚、というパートとリンクしてる感じ。

 リアル時世的にも、民主主義自体をもう一度考えてみないと、というようなのは現時代的に重要な視点として語られていることなので、2014年に放映されている作品として、たいへん面白いと思うのでした。

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