ネタバレ注意です。
紘汰、DJサガラをメンター的ポジションに、犠牲を出さなければ成り立たない世界の仕組みそのものと戦うと覚悟完了。新フォーム、カチドキアームズに変身して出陣、とテラ熱い回でありました。個人的に、本当に『仮面ライダー鎧武』という作品が好きになった回。
ユグドラシルコーポレーションが栄えれば戒斗の親の街工場は淘汰されたとか。人類のための実験で初瀬は死んだとか。6人を犠牲にして1人を助けるユグドラシルコーポレーションの方針とか。その世界の住人を浸食しながら繁殖していくヘルヘイムとか。あるいは、バイト探しパートですら、椅子取りゲーム的に、バイトが決まる者と、決まらない者に別れるという意味では、ここに入るのかもしれない。とにかく、「人間が生きる背後に犠牲は出る」というのが色々な場所で描かれていた作品。それゆえに、その世界システム自体と戦うという方に行ったのは大変高揚しました。そりゃ、背中に旗も立てるよ!
ここからは少し他作品に言及するので、反転ネタバレにしてみるけど(携帯から見てる人には意味ないかもですが)、虚淵玄シナリオ作品としては、
「(『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』のネタバレ)この作品も、一人まどかが犠牲になって均衡を保つ世界はおかしい、という動機が感じられる物語でした。」
「(『翠星のガルガンティア』のネタバレ)この作品も、人類銀河同盟や、疑似人類銀河同盟であるクーネル船団のように、弱者を排除して強者だけで進化を目指す世界はどうなの? という視点がある作品でした。」
また、各種インタビューで、虚淵さん、『仮面ライダー龍騎』がそもそも好きで、今回『鎧武』でそれを意識してる旨が語られているのですが、
「(『仮面ライダー龍騎』のネタバレ)この作品も、ラストエンディングは神崎兄妹の犠牲の上になりたっている作品。」
もうずっと、虚淵さんの物語師としての主題意識はこの近辺にあるように感じるのですよ。『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語』もかなりその先を描いてくれたと感じておりましたが、『鎧武』ではいよいよ2014年時点の「その先」まで描いてくれそうで楽しみ。これ、ようは『龍騎』ブレイクみたいな話だよね。ラスト2の真司を観て「感動しました」で終わらせんな、と。『仮面ライダー龍騎』は多感な頃にすごいハマって、放映当時毎日『龍騎』の話してたくらいの勢いだったので、そこから文脈を継いでるかのごとく、今の時代に最新の物語を作ってくれてるのは嬉しい。
とりあえず、「犠牲の上で多数が生き残る仕組みを前提として受け入れている」象徴であるスカラーシステムに向かって、新フォームをまとって鎧武が怒涛のごとく発砲する絵は、なんか凄いの描いているな感がありました。これ、『鎧武』本当続きが楽しみ。
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