記事中はネタバレ注意です。
1期の1話と同じく、「続いていてほしい大切なもの」が終わってしまう話から始まっている。1期の時は音ノ木坂学院という、「学校の場」。2期は、「μ’sの9人でスクールアイドルをやっていられる時間」(絵里、希、ニコ先輩が来る3月で卒業なので)。
そういう課題にあたって、一旦落ち込みパートが描かれた後、だって可能性感じたんだ、と「ススメ→トゥモロウ」を歌って無茶ぶりの反逆をスタートする所も重なっている(1期は穂乃果一人で歌い始め、2期は逆に穂乃果以外の8人が歌い始める)。
1期のスクールアイドルやって集客しよう! も無茶ぶりの反逆開始だったけど、2期のラブライブ! で優勝しよう! も先が読めない無茶ぶりで楽しみ。1期の課題は学校の価値をあげて集客力さえ上げれば解決可能だったけど、2期の課題はなんというか、世のシステムを何らかの形で覆さないと難しい。アイドルアニメだけど向かってる先は、ノリとして『仮面ライダー鎧武』です。終わりが来るのはしょうがないけど、一回性の青春良かったね、想い出だね、という作劇ではない気がしてるんですよね。無茶ぶりで続行がラブライブ! の神髄なので(1期最終回のことりちゃん直前で留学やめてμ’s続行など)、これ、無茶ぶりが決まって何らかの形でμ’s続行までいくのではなかろうか。
「μ’sの9人でスクールアイドルをやっていられる時間」が終わるのにあたって、どうするのか2パターン描かれていて、一つは中盤の、ラブライブ! に出場もしなくてイイし、みんなで街で遊んだりしよう。それはそれでやがて想い出になる青春の過ごし方として間違ってるとは言えなくて、実際世の多くはそうやって青春を消費して、後々良い思い出だった、良い時間だった、で終わっていく。
のだけど、穂乃果のそのふるまいは、1期のラブライブ! 目指してた頃に回りに迷惑をかけたのが心に残っていたから、と他のメンバーに見通されてからは、ガーっと逆転してこのメンバーでラブライブ! 優勝を目指す! と真逆にふれるのが凄い。日常アニメからいきなりスポ根アニメに転換したくらいの勢い。
破綻に終わった1期のラブライブ! 出場関係の物語を2期で乗り越えるのを目指していく物語でありそうだし、優勝を目指す、つまりは「競争世界」に身を投じると宣言しながら、印象的に描かれる穂乃果とニコ先輩の競争では、躓いたニコ先輩を見て穂乃果は立ち止まってしまう人である、という点で「競争か仲間か」が組み込まれている物語でもありそうだし、一見無難な解法として、印象的に「世代交代」が第1話に組み込まれている(生徒会長が絵里から穂乃果へ、来年入ってくる穂乃果の妹たち、など)物語でもある。
1期、最終回、モニターの向こうの「勝ち抜ける側」のアイドル、「アライズ」を見上げるだけだった穂乃果が、同じように2期1話で「アライズ」を見上げるんだけど、今度は地区予選でぶつかる前提なんだけど、ラブライブ! 優勝目指すよと言えるというのはスポ根の方向性として熱い。また、ことりちゃんがいる、とか、穂乃果が己の本当の気持ち(外部からの要因を抜きにしても歌や踊りが好き)を直覚してる、とか、1期のラブライブ! 破綻回りの頃とは色々パラメータも違ってるという。また敢えて「競争」に身を投じるけど、今度はあの時とは少し違う。
1期最終回のまとめ感想でも書いたけど、「競争世界」は、リアル世相として、何もしないと組み込まれて人間を消耗品にしていってしまいます(勝てるのはほんの一部)。外部評価的に自分の価値を高めるために留学、という1期終盤のことりちゃんとか、標準的な価値観でとても正しいのですが、それだけじゃイヤ、という作品。2期の、このままだと「競争世界」の動力に導かれて仲間はバラバラになります(まだ明言はされてないけど、一番は受験とか進学、就職という、世の硬直した仕組み自体が課題になっている)、というのに対して、いやいや、何かやってやんよ、というのは面白い。競争世界(象徴的にはスクールアイドルの頂点にいるアライズとか)、『ラブライブ!』 でハックしてやるよ、というノリ。
面白かった。可愛い女の子が歌って踊ってるだけで楽しい、という側面で視聴しつつ、こういう題材をアイドルアニメで2014年にやってみる、というお話本体の方にも期待。
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→前回:アニメ『ラブライブ!1期』第5話〜第13話(最終回)の感想へ
→次回:アニメ『ラブライブ!2期』第2話「優勝をめざして」の感想へ
→アニメ『ラブライブ!(1期&2期)』の感想目次へ