週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第30話「戦いの後には」の感想です。
 ネタバレ注意です。
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 前提として、神鳴流を使う点、人外の存在である点、性的マイノリティである点、などで、『UQ HOLDER!』の九郎丸と『ネギま!』の刹那がちょっと重なるように描かれていると思う事。

 刹那の精神的な救済の第一歩は「京都編」だったのですが(明日菜に自分の存在を同定して貰える所)、「京都編」のラストもエヴァが見開きで氷の魔法を使うと、今話と共通。やっぱり色々と繋がってるのが意識させられる形式になってるんじゃないかと。

 エヴァ自体が刹那にかなり非幸福者側の人間として同族意識を持っている、というのが『ネギま!』で描かれていたのですが、そんな刹那と重なる九郎丸。その何処にも居場所がないと感じていた九郎丸が、花火で仲間に助けを求めたということ。エヴァが助けにやってきたということ。色々と繋がっている。九郎丸本人は刹那という人がいたということを知らない辺りも、現在生きてる人間は知らずに歴史的な文脈に守られているみたいな感じで良い。

 そうして、焦点があたっている九郎丸を筆頭にマイノリティたちの宴の風景が描かれる。不死者、性的マイノリティ、貧民、老人、人外、みんないて良い。それは、マイノリティ意識で苦しんでいた刹那を、明日菜が同定することで救済した物語の、「その次」の風景という感じで。

 大規模資本や量産化・複製化・画一化がキーで、敵役にみんな同じ格好の戦闘服を着た集団や、複製された自動機械人形を描いていただけに、このむくむくと色んな存在がいて良い、酒(かどうか分からないけど)を酌み交わして良い。そんな場所があって良い、という風景は綺麗。

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