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 『仮面ライダー鎧武(ガイム)(公式サイト)』、第25話「グリドン・ブラーボ最強タッグ」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 巨大資本のユグドラシルコーポレーションが栄えた結果、戒斗の親の町工場は淘汰された。タンポポにおける強靭な外来種的ヘルヘイムが侵略してくれば人類が淘汰される。そういう、進化を目指して支配勢力が進んでいく結果、淘汰される側も出る、という印象的に作中で繰り返されている「競争」の話。

 そんな中、DJサガラとユグドラシル幹部との対話のシーンにて、そういった競争の果ての、勝ち抜いた一番の強者に与えられる「禁断の果実」の話が出てきました。

 一方、そんな中、


 「もうランキングなくなっちゃったんだよな」(城乃内)


 「ランキング=競争」の象徴ですので、ユグドラシル幹部の面々が競争の果ての禁断の果実、とかそういう「強い側・勝ち抜ける側」の話をしてるのと対照的に、分かりやすい競争のランキングもなくなっちゃって、しょんぼりしている城乃内さんパートが描かれます。というよりは、「競争」で勝てなかった側の描写という感じですよね。しょんぼり。

 そんな城乃内さんが鳳蓮さんに導かれて、少し男を見せるまで、という感じの話だったのだけど、「競争」の勝者を追う側とは別の生き方を見せてる点で、けっこう重要エピソードなのかも。印象的に出てきた言葉だと、「競争」とは違った「やりたいこと」とかなのかな。リアル世相のありがちな例で言えば、受験競争終わったら、で、自分本当は何やりたかったんだろ、と突きつけられたとか。出世競争とかに駆り立てられてたのだけど、会社はつぶれちゃって、で、私どうするの、的な。ランキング、競争に駆られてた人が、その枠組みを失って自分を見つめ直す……と、展開的には最近の世相の中で放映されてる作品として分かる感じ。

 全体的には、平成ライダー初期シリーズの夏のコメディ回みたいな位置づけのエピソードですかね(放映時期が変わったので夏にやるわけじゃないけど)。『龍騎』ですら、北岡さんおバカ回とか、ありましたからね。でもまんまコメディの外伝というわけじゃなくて、ストーリー本筋の重要そうな部分もさらっと仕込んでいる的な。

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仮面ライダー鎧武/ガイム 第三巻 [Blu-ray]
佐野岳
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
2014-04-18


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→前回:仮面ライダー鎧武第24話「新たな強敵オーバーロード」の感想へ
→次回:仮面ライダー鎧武第26話「バロンのゲネシス変身!」の感想へ
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