記事中はネタバレ注意です。
転校ばかりで居場所がなかった希さんに出来たμ'sという居場所(=共同体)は、学校の卒業と共に壊れる類のものなのか。転校というシステムの都合で居場所がなかったという話が、卒業というシステムの都合で共同体が終わるかもしれないというこの第二期に組み込まれてる要素と重なる感じで。
最近の感想で書いてる通り、これ共同体(劇中では象徴としてのμ's)を続行していけるとしたら? という話で、『けいおん!(!!)』一期と二期の構成に近いのだろうなと(一期が自分のやりたいことによる「輝いた時間」の話で、二期がそんな輝く共同体を続行する話)。
今話では、印象的に希が撮っていたビデオ、恋愛映画、と、「複製記録媒体に記録されたもの」が途中で途切れるシーンが挿入されています。これも『けいおん!』における写真とかカセットテープと同じ象徴的意味合いだと感じて、ようは複製記録媒体っていうのは、「輝いた時間」を記録して思い出として留めておくもの。それはそれで美しいのだけど、その時間は「終わってしまった」ことと表裏一体です。だから、続けていく方に行くのならビデオ映像に残りましためでたしめでたしだけではダメなのですね。複製記録は途中で置いて、続けていく方の象徴は「ライブ(生)」です。
なので、九人の言葉で新曲が発生は熱い展開。輝いた共同体の時間の思い出に、これまでの曲で集大成を、よりも、常に新しいものを生み出していく方向性は、未来への「続行」の方に向いている。
九人の言葉は全部重要なのだろうけど、最後の希の言葉が「好き」なのも良い。一期の中盤で絵理がμ'sに加わる所で描いた核心要素だし、終盤でラブライブ! 出場がダメになって、一度歌も踊りもμ'sも止める方にいった穂乃果が、続けること、続行こそが自分の本質だと直覚した原点の気持ちにして、『ラブライブ!』という作品の核心、それを「好き」だという気持ち。
そして言われてみれば、共同体続行の観点からも、一番重要な気持ちです。それが「好き」というパッションが充実してれば、自然とその気持ちを共有して集っている人たちの共同体も続行していくよなー。
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→前回:アニメ『ラブライブ!2期』第7話「なんとかしなきゃ!」の感想へ
→次回:アニメ『ラブライブ!2期』第9話「心のメロディ」の感想へ
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