ネタバレ注意です。
「誰かが助かる一方で誰かが犠牲になる」世界のシステムに対して、支配者として誰を犠牲にして誰を助けるかを選別できる立場に立ちたい光実と、システム自体をブレイクして全員助かる世界を目指したい紘汰とで、しっかりと対立になっている。
光実の方は第24話(感想)で、誰から奪い、誰に与えるかを決められるのが支配者って言ってるんですね。その志向が進展してきて、いよいよ世界の危機に、助ける人間と犠牲にする人間を選別する、箱舟的なことをやり始めてるのが今話。
一方で、紘汰の思想の方は光実いわく感染する類のもので、例えば当初は世界のシステムの前に諦めて「どんな決断にも犠牲は出る」と紘汰に言い放っていた貴虎兄さんは、現在では「感染して」紘汰側の希望を追う方に移動していると。その流れで、選別の偽・斬月と、全員助けたい斬月とか、次回対決になりそうなのは熱い展開。
感染経路は、どちらかというと舞→紘汰なのだと思う。例の舞の、巨大資本に淘汰されても、形を変えて踊り続けて見せる類の「強さ」というのが、やっぱり全部を助けるために折り合いをつけていく的な考え方。巨大資本のユグドラシルか、古き高司神社か、どちらかを犠牲にしてどちらかが栄えるだけではなく、形を変えても「舞」を残すという一種の作中解。そんな舞に、裕也を犠牲にして自分と舞を助けてしまったことに苦悩する紘汰が抱きしめられるパートが入り、そこから「システム自体をぶち壊す」方に開眼したのがカチドキアームズ出撃回(第23話の感想)。そこから伝染が始まり、貴虎に染って、次の誰かに染って、本当に犠牲を出さないでみんなを助けるがごとき、世界のルールブレイク(たとえばヘルヘイムも人類も助ける的な)が可能なのか? というのが今話から終盤あたりの物語。
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