ブログネタ
ハナヤマタ に参加中!
 アニメ『ハナヤマタ(公式サイトニコニコチャンネル)』第4話「プリンセス・プリンセス」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 多美お姉ちゃん、第一話ではなる視点から見て「踏切の向こう側」にいるとてもキラキラした人だったんだけど、本人からするとわりと悩みもあったようで。今話はむしろ「踏切の向こう側」にいる多美が「踏切のこちら側」を見てるシーンがあったりと、逆に、こっち側(よさこいとか、友達とか)に憧憬を抱いてる人として描かれていた感じ。

 で、憧れている側に行きたいんだけど、一歩踏み出せずに逃げちゃう、それを追ってきてくれる人(第1話だとハナ、今話だとなる)がいるというのが、第1話と今話で、方向は逆にしながら重ねてると思われるところ。自分がそれで救われたから、今度は自分が救う側に回るよ、というともすれば最終回級の題材の一旦をもう描いている感じ。これ、今話は多美お姉ちゃんにも悩みがあるって話だけど、第一話でキラキラして見えた人たちにも悩みはある……風な作劇で行くなら、これのヤヤ回とかハナ回もあるのかのう。ヤヤとハナは「やりたいことやる」で一致してるので、今話の多美のお父さんのためにやっていて本当に自分がやりたいことなのか混乱しているという段階はクリアしてる二人にもみえますが。

 なるの「となりにいる」発言も作品の核心めいていて、これまでもハナが、一人でいられるほど強くないとしみじみと語るパートが入っていたり、今話はまんま真智の「自分が選んだことを受け入れてくれて、一緒に喜んだり泣いたりしてくれる人がいるのはとっても素敵なことだと思うわ」の台詞が多美が何かを感じるきっかけになってたりと、作風として、いかに自由と自立が貴ばれる世とはいえ、一人はつらい、というような話。

 リアルを見るなら未だに、受験は同年代はライバルで競争だ! 的なことを言われてる世代でもあるようなので(逆に、そういう一人での戦いにまだ身を置いてる描写が、真智が時間惜しんで参考書で勉強してる描写なのかもだけど)、そういう方向とは逆にきってる感じ。一人はやっぱ嫌、という心情を現時点では誤魔化さない。

 そんな感じで、前回出てきたキーワードは「よさこい=自由」なんだけど、確かに今話もお父さん依存になりかけてた多美お姉ちゃんがなんかワンステップ自由になった感じ。今回の流れだとバレエ(バレエやってる人には悪いけど、バレエの時期の多美はまだ不自由でお父さんしか見えてなかったって比喩になってるよね……)からよさこいへって感じなのだけど、自由に目覚めた多美お姉ちゃんは自由過ぎる踊りを披露してくれそうで楽しみです。

ハナヤマタ1 [初回生産限定盤][Blu-ray]
上田麗奈
エイベックス・ピクチャーズ
2014-09-26


花雪(CD+DVD)
inc smileY
エイベックス・ピクチャーズ株式会社(Music)
2014-08-27


→前回:『ハナヤマタ』第3話「ガールズ・スタイル」の感想へ
→次回:『ハナヤマタ』第5話「ファースト・ステップ」の感想へ
→コラム:「Vivid性を取り戻すために2014年型作品全弾装填」へ
『Wake Up, Girls!』の感想へ
『けいおん!(!!)』の感想へ