ブログネタ
UQ HOLDER! に参加中!
 週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第52話「襲われた街」の感想です。
 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 色んな物語要素を回していく感じで作品を作ってると思われる『UQ HOLDER!』、最近は「ミステリ」だったのが「ホラー」作品な感じに(というかゾンビもの!)。

 小夜子も三太も強者に虐げられて世界から淘汰された側、マイノリティー側の存在だとして、行動には三段階くらいある。


1. 強者に淘汰されて自分が死んで終わり。
2. 強者の中でもクズに絞ってピンポイントで復讐・淘汰し返す。
3. 世界中を巻き込んで復讐・心中。


 今回は小夜子が「3」に突入みたいな感じですが、これはさすがに普通の観念的によくないことだと分かる。関係ない一般の普通の人まで巻き込んで殺すのはおかしい。ただ「2」はけっこう微妙。強いクズが今後も弱者の犠牲を出すようなら、それをピンポイントに排除するのは悪なのか。

 この手の話は『ネギま!』の時でもあって、例の夕映の哲学的な解答とかの話。なのだけど、麻帆良学園祭編の時点では、ネギは人は自分のエゴの元、ある種の「悪」を行うのは避けられないと結論づけてたりします。今エピソードのケースに当てはめるなら、弱者を守るという目的の元、ピンポイントに弱者を殺してしまう強者を排除するという「悪」は避けられない、みたいな感じ。犠牲を出して、他を救う。

 もちろん『ネギま!』はその後に物語が進展して、魔法世界編で人間世界か魔法世界かどちらかが犠牲になってどちらかが生きるというシチェーションで、「宇宙開発」という手段で両方生かすという理想を描く所で終幕しております。

 なのだけど、その流れで、『UQ HOLDER!』はちょっとそこから戻ってるというか、理想のようには現実はいかなかったというか、フェイトもこの前の遭遇時では、大多数を生かすために少数を犠牲にするのはしょうがないみたいな感じになってるのね(世界を救うと言いつつ、刀太の両親は殺してる)。

 小夜子が世界を巻き込んで復讐してやる(「3」)にいっちゃうトリガーを三太の精神的な課題(イジめられて殺された犠牲者意識は根強く、恨みを世界にまで拡大した発言「あいつら…壊してやりたい…ッ」)に起因させてる辺りがまた上手いなーという感じですが、要は同じマイノリティーでも、UQホルダーのメンバーと小夜子はパラメータが逆に入った裏と表で、三太はその中間で揺れてるみたいなポジショニングだと思うのですね。

 世界から排斥されるような立場だったのは同じ。だけど小夜子は世界全部を巻き込んで復讐の方にパラメータが入っちゃって、UQホルダーは世界のマイノリティーに助力する互助活動の方にパラメータが入ってる。

 今話時点だと、九郎丸は大多数の犠牲を抑止するなら原因の排除やむなし(ある種の悪をなす)な立場の雰囲気で、刀太はネギを継いでるごとく、何か別解を模索してる感じ。そこに、マイノリティーの立場でも世界から排斥された小夜子、三太と対照になるように、世界に生かして貰った立場の一空先輩がどんな感じに関わるのかと、そんな感じ。

→『UQ HOLDER!』第4巻発売中



当ブログの第4巻の感想はこちら

→『ネギま!』Kindle電子書籍版



●応援:絶版マンガ図書館

→前回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.51「小夜子と三太」の感想へ
→次回:「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」Stage.53「希望はやって来る」の感想へ
『UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)』コミックス第1巻の感想へ
「UQ HOLDER!(ユーキューホルダー)」感想の目次へ

「魔法先生ネギま!」マガジン連載分感想の目次へ
『魔法先生ネギま!』/コミックス感想の目次へ
クーネギ推奨!ネギと結婚するのは古菲説・まとめ