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 アニメ『SHIROBAKO(公式サイトニコニコチャンネル)』第2話「あるぴんはいます!」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 Bパートはボロ泣きでありました。

 ちょっと哲学というか存在論的な話まで連想すると、「何かを生み出す」「何かを存在させる」ということに関して。

 背景とか物語とか全部大事だと思うのですが、今回は特に「キャラクター」に関して。設定や記号の束じゃなくて、「生命を吹き込む」というのはどういうことなのか。監督が離婚してるとか、何気ないシーンで「食事」について描いていたりとか、この作品内でも「キャラクターが生きてる」ということを積み重ねていった上で、あるぴん(キャラクター)はどんな食べ物が好きなのか? という話へ。そして、見解は対立したりするけれども、Bパートの会議室にいる全員がアニメ大好きで、その「存在に生命を吹き込むこと」ということの大事さを根っこで共有してるという。暗がりの中に光る会議室の明りが最早存在論的な明りだよという趣で、「生み出す」ということがどういう営みなのか、すっごい踏み込んだあたりまで表現してる感じです。

 また第1話冒頭の「学生時代」のアニメ同好会のパートがあったからこそ、あのパートで学生時間、子供時間なりにアニメーションに「生命を吹き込むこと」ということをやった五人の描写があるので、本編はその後の大人世界編という感じなのだけど、あの頃のリフレイン(&大人世界バージョン)として観られるのも物語力ある感じ。

 当然、学生時代のようにはいかない。あおいは厳しい社会の中で生き抜き、学生時代の同好会ではエースだった絵麻はまだ社会の一線では通用せず、しずかは居酒屋でバイト。なのだけど、またよく色んな感想で使う「共同体」という言葉使っちゃうけど、学生時代の共同体がそのまま通用しない大人社会とはいえ、五人だけじゃない、色々な人たちと関わりながら、「アニメ作る」っていう根っこを共有した人々の、大人世界なりのヴァージョンアップ共同体の話な感じだと思うのですね。学生時代の輝きには、ある種のノスタルジーや喪失感を抱くけれど、今は、苦しいなりに大人世界の中で、大人世界なりの人間関係(共同体)の中で、あの頃よりもステージアップしたアニメーションを作らんと進んでいける。大人世界編のみんなも、しがらみとか色々ありつつ、どこかで、第1話冒頭の「アニメーションという形で存在に生命を吹き込んだ瞬間」、そんな感じのものを大事なものとして共有している。

 そんな流れで、線に色がつく(存在が生まれる的な)演出で始まるエンディングに繋がる引きで、これは良いもの観たなという視聴後感覚。劇中で制作中のアニメが第4話時点でこれなので、最終回が「生まれる」瞬間はどうなるんだよという勢いです。

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→前回:『SHIROBAKO』第1話「明日に向かって、えくそだすっ!」の感想へ
→次回:『SHIROBAKO』第3話「総集編はもういやだ」の感想へ
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