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 週刊少年マガジン連載の、赤松健先生の『UQ HOLDER!』(ユーキューホルダー)、第58話「能力×空中戦」・第59話「盟友として」・第60話「全て終わり」の感想です。
 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

●Stage.58「能力×空中戦」

 『ネギま!』時代から飛んでる飛行船が、自殺者達の怨念で黒く覆われるという悲しい絵に。

 これ、やっぱり超編の命題の、人は自分のエゴの元に何らかの悪をなす、っていう話の延長上の物語をやってるんじゃないかな。エゴを押して強い者達が発展していった分(それこそ搭が天空に向かって行くように)、それらが成した悪(例えば切り捨てた分の弱者)が、足元にたまって怨念になっていた。その集積が小夜子と三十四万の荒御霊(都の発展の下で淘汰された自殺者たち)だと。

 そして刀太登場。刀太が、「ここは任せて先に行け」ポジションなのですね。「飛行船で待つ女の子の元に駆ける」シチェーションが同じでも、『ネギま!』の時は駆けたのは主人公のネギで、『UQ HOLDER!』は主人公ではない三太。刀太はあくまでヒーローの補佐。フェイトの示した「世界を救う」という話にそんなにピンと来てなかった描写といい、前作主人公と本作主人公で、何か性質を描き分けてると思う所。あと、余計なお世話かも知れないですが、サポート役で当事者(漫画家)のある種の受け皿っていうのは、最近のリアルの赤松先生のポジションっぽくもあります。


●Stage.59「盟友として」

 刀太から「あんたすげえ勇気だぜ!!」、三太から「お前に必要だったのは ほんのちょっとの ささやかな… お前自身の…」という第1話(『ネギま!』『UQ HOLDER!』両方で出てくる)の「わずかな勇気が本当の魔法」が意識される台詞が出てきました。

 なので、わずかな勇気で踏み出して都に出てみたものの、勝ち上がれずに自殺したり淘汰されたりしてしまった弱者たちの怨念の話なんだなと。三太自身がそういう立場だし、小夜子はそういう人たちを受け入れていた。逆に言えば、今はまだそういう人たちを誰かが受け入れているのかもしれないけれど、いつかリミットに対して勝者たちの世界に対して牙をむき得るぞ、ということを描いているという。


●Stage.60「全て終わり」

 自殺者・淘汰されたものたちの怨念の集積がキラキラと舞っていくのを、そういう人たちの犠牲の上で都で暮らしている人たちが、花や雪のように「綺麗なもの」だと誤認しているという切ないラスト。それでいて、そういう怨念を綺麗なものに変えられたなら、という排斥される立場の人達の願いのラストでもあるように思える。あれだ、負の環境も負の心情もあるけれど、そういうのを糧に生み出された漫画は綺麗なもので、普通の人には幸せを与えるとか、そんな感じです。

 自殺者の怨念たちに小夜子という受け皿が必要だったように、小夜子に三太が逢いに来てくれるということが必要だったように、ラスト、世界から排斥されて一人残った三太に対して、刀太の「ウチ来るか?」。カラー表紙絵と相成って泣けましたよ。

 Stage.12で夏凛先輩が言っていた「UQホルダー」の理念、


我らUQホルダー 人の理外れた人間以外の徒党 我らは常に――人の世からはじき出され蹂躙され 忘れ去られる者達の側に付く


 進歩を追う過程を最早止められないのが世の力学で、その流れの中では必然的にはじき出され、淘汰され、忘れ去られる者が出るとして、その受け皿となる互助の徒党のようなものが必要だ。ラストのコマの「UQホルダー」の面々、それは例えば『ネギま!』の刹那のような、みんな何らかのマイノリティーで世界からは排斥されるポジションの人達で、刀太、九郎丸、夏凛、一空、キリヱと優し気に三太の側に立っているのが、良い。

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