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 アニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(公式サイト)』第9話「裏切りの故郷」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
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 家族(というか血縁というか)といった繋がりは、世界のルール(ノーマは排除)の前でそんなに強固じゃなかったという面を描いた一話。シルヴィアさん良かったよ。自分自身が足が使えなくて排斥される立場だから、そういう自分に引け目を感じていたから、だから排斥される者は排斥されなきゃいけない、ということが前提のアンジュへの糾弾は自傷行為にもあたってしまって、自分も痛い。だけど本人は幼いからそんなことは自分では分からない……って所まで感じられる演技でしたよ。

 世界のルールの前に排斥される苦しさ、という点を共有できるという点で、外の世界では実の家族よりもアルゼナル内部では反目してたアンジュとヒルダがそれぞれにシンパシーを感じてしまう、という点が一点。

 なのだけど、ヒルダにヒルダの代わりの妹がいたのは、まさに第1話でアンジュがノーマの子の親に言い放った、ノーマの子は忘れて次を産めばイイ、というのを実践していたということで、ヒルダが疑似第1話のノーマの子、やはり構造的にはヒルダの敵はアンジュ(というかアンジュリーゼ)になるという、複雑なことをやっていると思った一話でもありました。

 またさらに複雑なことに、今話では家族(血縁)の脆さを描いている一方で、もう一層奥に、アンジュのお母さんから貰った指輪(ヴィルキス関係)と歌に象徴されてる、やっぱり家族の縁が未来を照らしてくれるっていうストーリーもあるのですよね。

 このまま、たとえば最近虚淵玄氏脚本のアニメ作品&特撮作品で散々やってきたような、排斥される者を出すシステムなら、システム自体をブッ壊すという方に行くのか。さらにその先があるのか。

 いずれにせよ、現時点だと皇女アンジュリーゼかノーマのアンジュか、という枠組先行なので、アンジュもアンジュリーゼだからでもノーマだからでもない、ヒルダもヒルデガルド・シュリンフォークトだからでもノーマだからでもない、枠組み依存じゃない、世界の中の一存在としてのアンジュだから、ヒルダだから、っていう領域を獲得しないとと思うのですが。

 次回はこれタスクさん助けに来てくれるのだろうか。この人の真面目なんだけど、深刻になり過ぎないノリは良い。ガチで傷ついてる人の大変さは分かった上で、ユーモアやギャグ要素も忘れないタイプの人だ。

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→前回:『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』第8話「ビキニ・エスケイプ」の感想へ
→次回:『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』第10話「絞首台からサヨナラを」の感想へ
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