ネタバレ注意です。
「分断の繋ぎ人」宮森あおいを媒介に百色の人々がリンクしたり追加されていったりする作劇の本作。第2クールは人がいなくなってガランとした武蔵野アニメーションの風景から始まっていたのですが、今話冒頭では新人制作進行の佐藤沙羅、安藤つばきらが加わっています。ちょっとずつ、また集まってきてる! この二人も面接に来ていた時にあおいが面接に立ち会っていたりと、ちゃんとあおいがリンクの中心で駆けているという主軸を徹底させてるのは好感。
そんな中、スタジオタイタニック、木佐さん、中途合流の制作進行平岡大輔の「瀬川さんに甘え過ぎるな」発言などなどと、様々な所に破綻フラグが。
破綻フラグっていうか、一クールの落合さん、本田さん、矢野さんがいなくなっていく下りもだけど、「今まで頼れた人が頼れなくなっていく」っていうのも描いてるのですよね。黒を背景に描くから白が輝くの道理で、人と人との繋がりの大切さを描くからこそ、背景に今まで頼れた人が分断されていってしまう、ということも描いているという。だからこそ、繋がりを大切にしたり、世代交代などの意味合いも含めて、「新しく追加していく」ことも大事だと。
あおいが作中是的な「分断を繋ぐ人」を体現してるとすると、残念ながら夜鷹書房の原作担当の編集さんは、一番繋がってなくてはならない原作者と武蔵野アニメーションの間を「誤伝達」、ディスコミュニケーションさせていた意味で、「繋がりを惑わす人」ポジションで作中否的なポジションなのですよね。今のところ。
新人のつばきをも「援軍」と称すシーンがあったけれど、そういう繋がりのディスコミュニケーションやリンクの破綻に基づく危機にあたって、援軍で対抗していくような作劇。そういう意味で、ディスコミュニケーションが起こってしまっていた原作サイドとのリンクと対照的に、離れていても繋がっている感が演出されていたあおいと矢野さんの電話のシーンが良かったのだけど、これは、矢野さんは後半援軍に来てくれるとして、他にも色んな援軍カードが随所に密かに描かれてる感じ。渡辺Pが、しずかが以前オーディション受けた作品(『俺様のハーレムが少しずつ崩壊しているかもしれないけどたぶん気のせいかもしれない(仮)』)の監督と麻雀やってるシーンがあるのですよね。あの辺りも援軍フラグなのやもしれない。
まずは、誤伝達状態だった原作者と、「分断の繋ぎ人」あおいが対面する所が一つのヤマになるのかなぁ。
→Blu-ray(第3巻には劇中劇アニメーション「えくそだすっ! 」第1話 同梱)
→前日譚コミックス、大変良かったです。ネタバレ感想はこちら。
→前回:『SHIROBAKO』第14話「仁義なきオーディション会議!」の感想へ
→次回:『SHIROBAKO』第16話「ちゃぶだい返し」の感想へ
→『SHIROBAKO』感想の目次へ
→アニメ『ハナヤマタ』全話感想の目次へ
→『けいおん!(!!)』の感想へ