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SHIROBAKO ~上山高校アニメーション同好会~ (1) (電撃コミックスNEXT)
ミズタマ
KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
2015-01-24


 アニメ『SHIROBAKO(公式サイトニコニコチャンネル)』のあおい、絵麻、しずか、美沙、みどりの高校時代を描いた前日譚コミックス、『SHIROBAKO~上山高校アニメーション同好会~』第1巻の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 絵麻に「押し強いな。苦手なタイプだ…」と思われていたように、高校時代のあおいはわりと強引でポジティブで周りを巻き込んでいくタイプ。これ、社会人編に突入して一旦アニメ第1話冒頭の死んだ目になった後、アニメの方でも徐々に本来性を取り戻していって、終盤の方ではこういう周りを巻き込んでいく吸引力などを発揮していくのを「もう一度」決める展開になるのやもしれない。

 学生時代も「繋ぎ人」ポジションはあおいで、五人のリンクの中心にはあおいがいる……。という所で、アニメ本編って「高校時代の輝いた仲間・共同体を、厳しい大人の社会人編でも困難な世の中なりに『もう一度』やれまいか?」みたいな作劇だと思うのですが、高校時代の仲間が合流してくる順番が、絵麻→あおい→みどり→美沙→しずかの順で、アニメ第2クールで進行中の、「大人時代編に再合流する」順番、絵麻(一番最初に武蔵野アニメーションに入社)→あおい(次に入社)→みどり(ディーゼルさんとしてバイトで合流)→美沙(スタジオカナブンの社員として第三少女飛行隊制作に合流)→???と重ねられて描かれてるのね。やっぱり、しずかが合流するのは最後なのですよ。高校時代編を大人世界編でリフレインできたならっていうのを、こういう辺りを重ねて表現してるのかなと。高校時代は『神仏混淆七福陣』だったものが『第三少女飛行隊』になり、大人世界編では五人組だけじゃなくて、より様々な人たちがリンクしていくと。


・アニメ本編で美沙があおいに告白していた「自分がCGの道に進んだのは絵麻がいたから」というのを、絵麻本人は高校時代に美沙の口から直接聞いている。

・『神仏混淆七福陣』の絵コンテを描いたのはあおい。


 あたりはコミックス版で明らかになる貴重な情報でありました。特に後者は、アニメ本編でも劇中に盛り込まれている「あおい本人の自分の道は中々見つからない」問題、第15話の絵コンテ自体は「こんな絵」でもイイが伏線で、劇中本編でそこまで明確に描かれずとも、あおいは方向性としては監督に向かう感じになるのだろうか。「学生時代のリフレインを大人世界でも決める」コンセプトからすると、それがピタっとハマる方向ではあるのですが(『神仏混淆七福陣』の監督はあおいなので)。さらに、大人世界編で転職する美沙は、高校時代も一回役職を「絵麻の補佐」から「CG監督」に変えていたりと、細かいリフレイン演出が光っております。絵麻のフォローとして自分の道を決めていた美沙が、自分なりの本分を見つけるっていうのが美沙物語なのですね……。

 他、アニメ本編の脚本に『けいおん!(!!)』のシリーズ構成の吉田玲子さんも参加している辺り(第4話〜第6話)、『SHIROBAKO』アニメ本編が『けいおん!(!!)』アフター的、高校時代の輝いた五人組の日常作品の社会人編的なコンセプトがあると思うので、


●参考:SHIROBAKO/感想/第4話「私ゃ失敗こいちまってさ」(ネタバレ注意)


 逆に言うと、この高校時代を描いているコミックス版は『けいおん!(!!)』みたいなものです。五人がまだ『けいおん!』でいられた頃のお話。というわけで、五人の女子高校生がイチャイチャと遊んでる描写も豊富。何気なく部活してるシーンとか、みんなでアニマイト行く話とか、『けいおん!』な方向でほのぼのとも楽しい作品でした。

→Blu-ray(第3巻には劇中劇アニメーション「えくそだすっ! 」第1話 同梱)

SHIROBAKO 第3巻 (初回生産限定版) [Blu-ray]
木村珠莉
ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
2015-02-25


→前日譚小説版の方、こちらも良いです。



→前回:『SHIROBAKO』第15話「こんな絵でいいんですか?」の感想へ
→次回:『SHIROBAKO~上山高校アニメーション同好会~』第2巻の感想へ
→次回:『SHIROBAKO』第16話「ちゃぶだい返し」の感想へ
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