ブログネタ
クロスアンジュ 天使と竜の輪舞 に参加中!
 アニメ『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞(公式サイト)』第19話「時の調律者」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 エンブリヲ側に行ってしまった面々の背景が描かれていくというエピソード。

 総じて、それぞれの闇の面というか、心の深層で代償意識として持っていた飢餓感を、エンブリヲ様が埋めてくれたから、というような描き方。

 サリアは承認と居場所を、エルシャは子供達を守りたい(けど守れない自分)という気持ちを、クリスは友達を。

 あと、僕シルヴィアさん大好きなんですが、この子は足が動かない車椅子の自分というのに、何かしら「排斥されていた」意識を持ってた子だと思ってるのですね。なので、存分に排斥していいというリィザを与えられて、見事に堕ちているという。第10話「絞首台からサヨナラを」の感想でも書いたのですが、あの時はアンジュを、今回はリィザを、排斥してよいという存在を与えられてそれを鞭打つのは、自分が感じていた「そのままでは排斥される自分」という意識の代償行為だし、それゆえに鞭打てば鞭打つほど自分に返ってくる感じで。シルヴィアさんが最後にどうなるのかは楽しみですわ。

 そして、アンジュも「不安」というその手の内面の闇をエンブリヲに突かれて落ちかけるんだけど、タスクを思い出して抵抗という展開。与えられたものでは満足できないのという反抗の言葉はカッコいい。上記の自分の闇を謎パワーでエンブリヲ様が埋めてくれる構図は、第一話時点で胡散臭かった、「苦しいことは万能のマナの力で全部解決」と重なるのですね。そこでは、第3話(感想)で描かれたような「生」のある種の激情、Vivid感はないと。無条件に供給される甘いキスより、舌を噛み切ってやらんとする血の味を、というのはカッコいい。

 何度も価値観、というか世界で共有されてる共同幻想が転覆してしまう劇中だからこそ、アンジュは不安を抱くけれど、ここでタスクが思い出されるのも上手い。ちょうど前話で、「リベルタス」っていう共同幻想を抜けてもアンジュの騎士だって言ってくれたところですからね。己の負や飢餓感が、謎の共同幻想で無条件に埋められ続ける……なんていうのとは別の異相の、そういうのに惑わされない、正負も清濁も込みで付き合える信頼なんて類も、まだあり得るのかもしれない。

 って所で引きはヒルダ。彼女も清濁込みで個としてアンジュとヒルダだみたいなポジションだと思うので、これは合流してほしいですよ。

 もう残り五話くらいなのですか。てかこの作劇だと、安寧の共同幻想から保護されない変わりに、アンジュの精神的同盟者にも死者がでるのでは。残り話数、渇望しながら視聴します。

→Blu-ray



→PSVITAのゲーム



→前回:『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』第18話「決別の海」の感想へ
→次回:『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』第20話「神の求魂」の感想へ
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の感想目次へ

【関連リンク】

→当ブログの『機動戦士ガンダムSEEDDESTINY』の感想はこちら
『機動戦士ガンダムSEED』の感想はこちら(大昔のHTMLWEBサイト)