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 アニメ『SHIROBAKO(公式サイトニコニコチャンネル)』第21話「クオリティを人質にすんな」の感想です。仙台にて地方遅れ視聴中。

 ネタバレ注意です。
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 磯川さん、矢野さん、平岡さんの専門学校時代の同期という共同体が、厳しい大人の現実の中でもアニメーションの世界で途切れずに続けていけるか? という物語が、メインのあおい、絵麻、しずか、美沙、みどりの五人の学生時代の共同体が、厳しい大人世界に突入してから後でもアニメーション制作で再合流できるのか? という物語と重なるように描かれている一話。

 磯川さんは会社を立ち上げるという転機を迎え、矢野さんはお父さんの病気、平岡さんは現実の前に心折れかけると、それぞれ大人時代には「ダメ」になりそうな状況はやってきてる。だけど、それでもこの三人がまだアニメーションに関わり続けている、今、仮にも『第三飛行少女隊』で繋がっているというのが、五人組の夢の希望でもあるという描き方。なので、脱落しかけている平岡さんを、あおいは切らないし、救わないといけない。平岡さんが脱落することは、やっぱり五人組のいつか再合流して一緒にアニメーションを作るという理想も叶わないことを意味してしまうから。

 一方五人組の方は、美沙がCGで絵麻と同じシーンを描くという「再合流」が実現する。絵では絵麻には敵わないからとCGの道に進んだ美沙の物語は、前日譚のコミックス版も含めて、いかに「絵麻の後追いではなく、自分自身の道を成立させるか」という物語で、それゆえに前の会社は辞めたりという物語があったのだけど、ついに違うジャンルで、自分の本懐(動物系キャラクターのCG)のもと絵麻と並ぶという所に辿り着いて、終盤の五人組まとめ回、前々回のあおい、前回のみどりに続いて、今回は美沙回でもあった印象です。

 厳しい社会の中で「分断」されていく力学の中、いかにアニメーションを媒介にしてその分断を超えるようなものが生み出せるかという今作。ありし日の夢の輪の中から脱落しかけの平岡さんと、未だに一人再合流できないしずかを抱えたまま、「分断の繋ぎ人」「夢の応援者」宮森あおいが『第三飛行少女隊』の最終回の制作進行を安藤さんと佐藤さんと共に自らも担当という展開で終盤へ。次回が絵麻回で、次々回がしずか回と予想。もうすぐ終わってしまうのか。感慨深いです。

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→前日譚コミックス、大変良かったです。ネタバレ感想はこちら。

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→前回:『SHIROBAKO』第20話「がんばりマスタング!」の感想へ
→次回:『SHIROBAKO』第22話「ノアは下着です。」の感想へ
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