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 アニメ『響け!ユーフォニアム(公式サイトニコニコチャンネル)』第六回「きらきらチューバ」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 『けいおん!(!!)(感想)』が意識される話として、そのままで無謬で楽しかったはずの人間関係に競争原理が持ち込まれてしまうというのがある本作。「コンクールを勝ち抜いて全国を目指す」が既に持ち込まれていたのだけれど、今回さらにその前哨戦的に、出場メンバーを部内で「オーディション」で選ぶという展開に。

 そのまま行けば、勝ち抜く者と勝ち抜けない者でバラバラに「分断」されていき、『けいおん!(!!)』で描いた「輝いた」共同体なんて壊れるよという本作。実際、劇中でも、「大吉山北中学校吹奏楽部」「久美子と姉の麻美子」「去年の北宇治高校吹奏楽部」辺りはそんな流れで過去に「分断」されてしまった共同体として描かれてるのだし、という段階。

 なのだけど、そういう「競争」で「分断」だという流れが出てきてる一方で、引き続きその流れに抵抗するような、分断を繋いだりする力が要所要所で描かれていると思うのでした。

 「一人で競争に立ち向かわなくてはならない状況」が、葉月と葵で対照で描かれていたと思うのですが(葉月はオーディションに、葵は受験に)、葉月の方で、「合奏」「秀一からの一緒に頑張ろう」などといった、「分断」とは逆の「縫合」とでも言えるような展開が描かれます。競争厳しい世界だからこそ他者の存在は大事だ的なシーン。一方で、葵はまだ一人で、劇中でこういった分断を繋ぐポジションにありそうな久美子がどうするのか? といった引き。

 もう一つ競争で分断されていく力学に抗っているのは「縁」みたいな描写で、久美子と麗奈の縁。人と楽器の縁。などが描かれている。これらは、いかに競争世界だバラバラになるぞと言われても、中々に強く途切れないものとして描かれている。緑輝が楽器のマスコットのガチャガチャを引いてるのもこの描写だと思うのですよね。ねばり強く、めんどうでもコントラバスを目指す、という。後藤先輩とチューバの繋がりが強いものだと描かれた上で、葉月とチューバがいよいよ運命の「縁」になり、そのタイミングで葉月と秀一にそれこそエンディングの久美子と麗奈の「赤い糸」的な、「縁」、「運命」的な描写が入ると。

 そういう、世の「競争」と「分断」化に抗う「縁」みたいな話。久美子と麗奈はもう大丈夫だ(物語の構成上)感が既に感じられますが、葉月と秀一、久美子と葵、久美子と麻美子辺りはどう描かれていくのか、楽しみなのでした。

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→次回:「最近の響け!ユーフォニアム」へ
→次回:『響け!ユーフォニアム』第十二回「わたしのユーフォニアム」の感想へ
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【関連リンク:これまでの当ブログの京都アニメーション作品感想】

『涼宮ハルヒの憂鬱』最終回の感想はこちら
『けいおん!!』最終回の感想はこちら
『氷果』最終回の感想はこちら
『Free!』(第一期)最終回の感想はこちら

『中二病でも恋がしたい!』(第一期)最終回の感想はこちら
『境界の彼方』最終回の感想はこちら
『甘城ブリリアントパーク』第12話の感想はこちら

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