「今日も…物忘れやうっかりばっかで…もし…このまま一人でボケちゃったり大病したらどうなるのかな…」

 あらたまい先生(ホームページTwitter)の漫画『巴マミの平凡な日常』第1巻&第2巻の感想です。

 「アラサーマミさん」のキャッチフレーズの方が有名な作品やもしれないです。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 同人誌版が話題になっていた頃から気になっていた作品。『まんがタイムきらら☆マギカ』で面白いな〜と立ち読みしたりしてたのを経て、今回まとめて読むのは初。

 ギャグよりだけど、僕の分類としては「元気出る漫画」枠です。

 体の衰え(特に胃など)、過酷な労働環境(派遣社員)、スタンダードな昭和的幸せ観の流れに乗って結婚していく昔の友人たち(まどか達)……という中、気が付けば無標な幸せの流れからはあぶれてしまったアラサ―で一人の自分、それでも何とかかんとか生きてくしかないよね、って辺りを優しく描いております。

 夜の公園でコンビニ酒で一人飲みするだけの話が好き。世界の危機はつらいけれど、アラサー独り身派遣社員生活もつらかった。壮大な物語の末の浄化感とかも素晴らしいけれど、一人で安酒を飲んでる時に感じる幸せもあった。

 この先一昔前の昭和的幸せ(結婚・出産・安定収入など)を手に出来る可能性は実際のところ限りなく低いのだけど(現実だと、超少子高齢化社会で、ここからさらに介護負担が直接的・間接的に加わってくるのが特に厳しい)、それでも安酒、たまにの休日、昔の友達、ささやかな「日常」を良いものと捉えて何とか死ぬまでは生きていくしかない。繰り返しになりますが、僕的には厳しい現実の行軍のお供に……的な「元気出る系」「元気(ほそぼそと)出していこうか系」漫画のポジションです。こういう作品を世に送り出せるの、イイな。





あらたまい「ほおばれ!草食女子」の感想へ
当ブログの『魔法少女まどか☆マギカ』(本編)の感想へ
2014年ランゲージダイアリー的ベスト、「漫画部門」へ