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ネタバレ注意です。
有宇の破綻前の弓の有宇への態度、破綻後の弓の有宇への態度がそれぞれ超能力を使っていた有宇への態度、超能力が使えないただの人間になった有宇への態度として分かりやすい感じで、超能力が使えない自分ってやつがちっぽけな人間なのだとしたらそれは苦しい。もう一歩踏み込むと破綻は超能力に起因してるというよりも今話時点での自身の人間性に起因してる辺りも厳しい。
キー台詞は奈緒のルックスだけで十分だったろうにさらに超能力で何を求めたのか、という辺りだと思うのだけど、それでも超能力を使っていくとしたら何なのか、超能力の本質とは、みたいな話になっていく前フリなのだとしたら面白そうです。妹の歩未が、そういう超能力かそうじゃないか辺りを超越して、有宇にとって大事なポジションとかで。
今話に関しては、中心は「自他」の話だと感じました。ブーバーの『我と汝』というか。
同じテストという状況でも、他者、つまり回りに他人(しかもできるだけ頭がイイかとか、どういう人間か知っている他人)が沢山いる状況だと成果が出せるのに、自分一人だと成果が出せない能力というのはポイントだと思うし、あと有宇と奈緒の能力はおそらくセットなんですよね。
視認できる範囲の人間を乗っ取れる有宇の能力は、ある個人から視認されなくなる奈緒の能力の前では無効化されるし、逆にある個人からしか消えられない奈緒は、有宇が他人を乗っ取って他人視点から見られたら能力が無効化される。これも「自他」ネタで、自分視点であれこれやってる今話の有宇を奈緒がカメラを回して客体(他者視点)として撮っていたというのは仕込みっぽい。
全体として、わざわざデカルトをそうじゃないよという文脈で冒頭で出してきたり、今までの作品でも麻枝さんは(大袈裟に言えば)近代合理主義(デカルトが重要な役割を果たす)に全てが還元されたりしないんだよ、ブディズム(仏教)っぽい世界観とかもあるんだよ(輪廻など)っていう世界観を描いてきたと解釈してる身としては興味深い一話でした。エンタメの中に、乗り越えるべき課題と、それを乗り越え得る要素の片鱗を忍ばせておくという、お手本のような第一話でありました。
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