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 アニメ『Charlotte(シャーロット)(公式サイトニコニコチャンネル)』第七話「逃避行の果てに」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 ずっと「破綻した兄とその妹」という構図が、友利兄妹と乙坂兄妹で重ねて描かれていたのですが、有宇にとっての「守りたい妹」のポジションが、歩未から奈緒に継承されるのか。

 オムライスを作ってる後ろ姿を「歩未=奈緒」と重ねるシーンも分かりやすくありましたし、「とても近くで有宇に優しさを向けていてくれたのに、有宇はその幸せに気づけなかった」という構図が、これまでの歩未→有宇のあり方と今話で能力で姿を消してずっと近くにいてくれた奈緒→有宇のあり方が重なる感じで。

 逆に「妹」視点からすると、先行バッドエンドで破綻してしまった奈緒の兄……をプレストーリーラインとして、奈緒(妹)が今度は兄(有宇)が破綻するのを守ったという形でもある。奈緒は奈緒の兄を、有宇は歩未を、本当は一番守りたかった実の血縁は失ってしまったのだけど、奈緒は疑似兄としての有宇を、有宇は疑似妹としての奈緒を守ることに意識を向けていく構図になるのですね。『CLANNAD』で渚が失われたから汐を守る過程に渚を見つける……みたいな話で、一番大事な人を失ってしまった後にどうするのかというのは、ずっと麻枝さんの作品では描かれているラインだと思うのでした。

 兄の破綻or再生を分けたのは、友利兄妹の親が友利兄妹を売ってしまった(バッドエンド)のに対して、乙坂兄妹の親は秘伝のたれという愛情を残していたこと、という描き方だと思いました。前の代(時には前世とか、そういう話にまで麻枝さんの場合いくのだけど)が残した徳分のようなものが、次の代を救う要素になり得るという、これも『AIR』『CLANNAD』『Angel Beats!』まで、麻枝准作品のエッセンスの一つだと感じたのでした。

 奈緒を認識してからの有宇と奈緒の会話はイイですね。この時点で恋愛感情と言葉にしてしまえるほど安っぽくはなく、とはいえお互いが抱えてる大事な人を失った気持ちは埋めようがなく、それでもウェットに直接的に感情に訴えるような事は中々できずに表面上はカラっとしたやりとりが主なのだけど、思いやりに満ちてるのは深い所で「分かる」。この会話が描けるのは凄いな。

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→前回:『Charlotte(シャーロット)』第六話「気づかなかった幸せ」の感想へ
→次回:『Charlotte(シャーロット)』第八話「邂逅」の感想へ
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【関連リンク:これまでの当ブログの麻枝准作品感想】

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