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本作及び麻枝准氏の他作品のネタバレ注意です。
「この世界で」奈緒の兄の破綻というバッドエンドを経験した奈緒が、能力者候補たちの未来を守って回っている、いわばバッドエンド回避の手助けをしている、それこそこれまでのKEY作品の構造のように……という話をこれまでの感想で書いておりました。
なのですが、今話にてそういう話よりももう一層大きい話として、有宇の兄が時空改変の能力者で、本当にバッドエンドじゃない世界を希求してタイムリープを繰り返していたことが判明。
大事な人が失われるというバッドエンド(『CLANNAD』における渚の死、『リトルバスターズ!』における鈴個別ルートバッドエンドなど)が、第六話の歩未の死に相当し、それから個別ルートを繰り返して「光の玉(人の温かさ、徳分のようなものかと僕は解釈しています)」を集め、最終的に大事な人との時間が継続するトゥルー結末に至る……というのは、それこそこれまでの麻枝作品、KEY作品どんぴしゃの物語構造なので、わざわざこの2015年にやるからには、単純に歩未が助かるトゥルーエンドに抜けて終劇……とは違うことをやってきそう。自分で、これまでの麻枝作品、KEY作品をメタに扱ってるということをやってたりするのですね。
また、元々麻枝作品、KEY作品が大きい役割を果たしたゼロ年代ループものADV作品が先にあって、それらを元ネタにしてアニメのジャンルで総括的に作られたのが近年の大ヒットアニメ『魔法少女まどか☆マギカ(当ブログの感想)』なので影響関係の順番などはややこしいのですが、第十話がタイムリープの種明かし回というのは、もろに『まど☆マギ』なので、本作はそちらも意識していそう。その上で、結末は『まど☆マギ』と変えてくる、2015年版としてのメッセージを打ち出す、という意図もある作品だと予想。
『AIR』のラスト、分かりやすいのだと『Angel Beats!』のドナーのギミックといい、常世で消えていく存在だとしても、他者として他者に残した何かは意義をもって世界(時には輪廻後の世界とかまでいっちゃうのが麻枝作品ですが)に影響を伝える……というのは麻枝作品のエッセンスだと思うので、他人の能力を奪える有宇の真・能力「略奪」はストーリー上のテーマにもかかってくる能力という感じ。他人の何かを継承して、言い方を変えれば奪って別の誰かが生きている……というのが麻枝作品の底の方に流れているエッジだと思っているのでした。
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→前回:『Charlotte(シャーロット)』第八話「邂逅」の感想へ
→次回:『Charlotte(シャーロット)』第十話「略奪」の感想へ
→『Charlotte(シャーロット)』感想の目次へ
【関連リンク:これまでの当ブログの麻枝准作品感想】
→『Angel Beats!(エンジェルビーツ)』DVD全7巻の感想はこちら
→『リトルバスターズ!』感想日記はこちら(別ブログ)
→アニメ版『AIR』第01話「か ぜ〜breeze〜」の感想はこちら
→原作「CLANNAD-クラナド-」のネタバレまとめ感想はこちら
→『リトルバスターズ!Refrain(アニメ)』(全13話)の感想はこちら
→公認アンソロジードラマCD 1 Kanon 〜カノン〜 プロローグ・美坂 栞 「約束をしたこと」の感想はこちら
→京都アニメーション版『Kanon』DVD第1巻の感想はこちら
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