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 アニメ『アイドルマスター シンデレラガールズ(公式サイトニコニコチャンネル)』第21話「Crown for each」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 フランシス・エリザ・ホジスン・バーネットの『秘密の花園』を未央を中心に卯月、凛の三人で演じ、劇中の三人も共鳴するに至り、視聴者向けにも(共同体がバラバラになるという)問題の解法、それぞれの心理のステップアップに至るのを表現するという、文芸的というか、テクニカルな表現できたなというのが第一印象だった一話。

 『秘密の花園』に関しては、昔書いた書評があります。(別ブログ)↓


フランシス・エリザ・ホジスン・バーネット『秘密の花園』/感想/新潮文庫


 当初から「時計」と同じくらい「花」もモチーフに使っていた『アイドルマスター シンデレラガールズ』という作品ですが、『シンデレラ』と同じくらい『秘密の花園』も意識した表現をやってた作品ですよということなのかな。誰かにかけてもらう『シンデレラ』的な「魔法」から、連鎖してどんどん元気になっていく『秘密の花園』的な「魔法」に変わっていくストーリーみたいな感じで。まず未央が立ち上がって、そこから伝播して落ち込んでた卯月もちょっと前向きになる……という流れはとても『秘密の花園』っぽかったですよ。

 共同体はもちろん大事なんだけど、閉塞した状態だと、それはコリンが至っていた心理的な病状態、部屋に閉じこもった状態になってしまうというけっこう厳しい話も描かれ、一旦共同体がバラバラになるとしても、一人一人が新しい冒険を始める、立ち上がるという展開に。移動力、風通しの良さみたいなものも、真・共同体には必要なのだった……。

 個人的に注目していた、とはいっても、冒険だ進歩だと仲間が先に進んでいった背後で、共同体を失う卯月はどうなるんだ問題は、未央と凛がそれぞれ進んでいった隙間を、小日向美穂さんが(たぶん一時的に)埋めるという展開に。これまで、シンデレラプロジェクトメンバーだけじゃなくて、行き交う皆が徒党のアイドル感を出していた作品なので、この流れはけっこう自然です。徒党のアイドル達がそれぞれに己の花を咲かせており、ゆるくリンクしているので、ピンチの時は良い意味で代わりがいるのですね。娘が「なんかピンと来るものがあった」と一時自分の道を追って東京行っちゃったんだけど、残された地方の老親の介護は謎のスーパー街の人がしばし担当してくれていたみたいな展開ですよ。この比喩だと卯月がお婆ちゃんポジションなので、残される立場の身なりに、武装・笑顔のみで最後にどういう物語を見せるのか楽しみです。

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→前回:『アイドルマスター シンデレラガールズ』第20話「Which way sholud I go to get to the castle?」の感想へ
→次回:『アイドルマスター シンデレラガールズ』第22話「The best place to see the stars.」の感想へ
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