水木しげる先生のご冥福をお祈りします。

 個人的に幼少時の自分のルーツというと『聖闘士星矢』とか『ドラゴンボール』辺りが最初に買った漫画&観たアニメかなと思っていたのですが、その前に(アニメ版の)『ゲゲゲの鬼太郎』があったなと。子供の頃下駄をはいていたのだけど、あれは今思えば鬼太郎の影響でありました。ぬりかべっぽい存在が今も好きなのも、その頃の影響なのやも。

 Twitterでその存在を知った水木先生の「幸福の七ヶ条」。これは一次情報を読みたいと思って、『水木サンの幸福論』を購入。第一部は、この七ヶ条に水木先生自身が解説を付けているというもの。

 第七条 目に見えない世界を信じる。

 あたりに、深みを感じました。妖怪などに関して水木先生クラスの方が言っていたというのに、なおさら。

 近代人、科学と合理万歳のみを追求してるうちに、効率性の魔物に囚われがち。霊性的、宗教的、スピリチュアル的な事柄(など)を排しているのが理性的で先進的な自分、と特に近年の日本人は思いがちと感じますが、そういう領域をまったく排してしまうことが果たして「幸せ」の観点からはどうなのか、というのは思慮したいところです。バランスを取ることに帰着する項目かもしれませんが、時には、我々が見えてる世界をペリっとはがしたところに実はあるかもしれない世界の存在を感じたりすることも、人間という生き物のあり方にそっているのかもしれない。

 胸に染みいる言葉の連続だったので、お勧めです。

→Kindle電子書籍版

水木サンの幸福論 (角川文庫)
水木 しげる
KADOKAWA / 角川書店
2015-03-19


→紙の本版

水木サンの幸福論 (角川文庫)
水木 しげる
角川書店
2007-04