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 アニメ『ハイスクール・フリート(公式サイト)』第1話「初航海でピンチ!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
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 シリーズ構成が『けいおん!(!!)』『たまこまーけっと』『ハナヤマタ』『SHIROBAKO(シリーズ構成ではなく一部の話数の脚本)』などの吉田玲子さんということで、当ブログ的には、この作品も吉田玲子さん十八番の「擬似共同体もの」だと思いました。

 主人公で艦長の明乃が、艦のメンバーは「家族」だと語るのが一話内でも強調されています。

 加えて、信じていた学校からそんな艦が撃たれる……という展開は、「信じてた学校共同体からパージされた(切り捨てられた)」というシチェーションなんだろうなと。その上で、日本(国という共同体)も水没しかけている……というラスト。リアル現代風刺過ぎる。

 幼馴染二人の紐帯……明乃ともえかの繋がり……というのも、吉田玲子さんのアフター『けいおん!(!!)』的作品で繰り返されてきた、児童時間の絆(共同体)は過酷な現実の中でも意味を持ち得るのか? ネタです。この二人の絆が、『SHIROBAKO』の五人組の絆に相当するみたいな位置づけでしょうか。

 「国」共同体も滅びかけ、中間くらいに位置するはずの「学校」共同体からは撃たれ、それでも個人だけで生きていけるほど人は強くなく、残ってるのは「艦」という「(擬似)家族」共同体と、児童時代の友との紐帯のみ。絶対絶命の中で、今度の吉田玲子さんが描く「共同体」は戦闘艦共同体ということで、「共に戦う」関係。胸熱の作品です。

 話題になった、日常ものゆるふわ作品『はいふり』と偽装して、第一話公開と共に『はいふり』改め『ハイスクール・フリート』にプロモーションが全部変わるという演出も、話題作りもさることながら、吉田玲子さん(『けいおん!(!!)』とか『ハナヤマタ』とか、やはり学校共同体日常もののイメージがある)をシリーズ構成に迎えて、今回は「日常」学校共同体もの作品のネクストステージやるよ! っていう、コンセプトメイキングからの訴求も込みでの演出だと感じました。最近のアニメーションは、本当、作品から周辺まで(メタ演出とか込みで)めっちゃ作り込みますので。

 幼馴染の明乃ともえかは別の艦で、このままだと敵同士になる可能性もあるのか。萌える(燃える)シチェーションです。それでも、『けいおん!(!!)』も『ハナヤマタ』も『SHIROBAKO』も(いずれも児童時間の繋がりが外の世界でも意味を持ち得るか? ネタが入ってる作品)意味はあったんだ、ともっていってほしい期待感に満ちる作品です。

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はいふり (1) (MFコミックス アライブシリーズ)
阿部 かなり
KADOKAWA/メディアファクトリー
2016-04-23


→次回:『ハイスクール・フリート』第2話「追撃されてピンチ!」の感想へ
『ハイスクール・フリート』感想の目次へ

【関連リンク1:当ブログの吉田玲子さんシリーズ構成・脚本作品の感想】

『けいおん!』と『ハナヤマタ』で重ねられている演出とその意図について
『けいおん!!』最終回の感想はこちら
『SHIROBAKO』(シリーズ構成ではなく同テーマのキー話の脚本)の感想へ
『けいおん!(!!)』シリーズ構成の吉田玲子さん脚本による「バッドエンドけいおん!」を浄化する物語〜無彩限のファントム・ワールド第7話の感想(ネタバレ注意)

【関連リンク2:当ブログの2015年アニメーション作品ベスト10記事】

2015年アニメーション作品ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)