ネタバレ注意です。
今話はもろに(戦争状態のような)「非日常」の中でも文化的なものの意味を守るよ……というエピソードだと感じましたが、『マクロスF』が2008年だから、本作は東日本大震災後初の『マクロス』なのか。
「歌」「ウィンダミア産のリンゴ」が今話では意味合いとして重ねられて用いられて、本来は「幸せ」とか運ぶものなのに、戦争という「非日常」ではその本来の意味から遠ざけられて戦争利用されてしまう。ハインツ王子の「歌」も「ウィンダミア産のリンゴ」もバール化誘発という戦争の道具にされてしまっている。
フレイアが何を言っても、ウィンダミアの騎士の人達は(概して)「戦争なんだからしょうがないだろ」の一点ばり。
そういう中で、フレイアがバール化したお父さんを元に戻すため、戦争で分断された家族を助けるために「歌う」。ハヤテはそれを守るというカッコいい回でした。
それは綺麗事的なことなのだけど、大事なことだと思うからコストを払ってでもやってやるというがごとく、ハヤテが懸命にコックピットではなく翼だけ狙うのは熱かったよ。
リアルでも、東日本大震災もあったし、熊本の大震災もあったし、世界ではテロに中東の戦争にという状態なのに、アイドルが歌うたってるとかバカなの? 「非日常」時に歌とかバカなの? と真顔で言うこともできるわけですが、それでも日本のアイドルは歌っています。フレイア=アイドル、ハヤテ=アイドル推しのオタク(え)。
今話でフレイアが一人で歌った歌がウィンダミアの歌なのかワルキューレの歌なのかちょっと分からず。どちらなのかでシーンの意味合いが微妙に変わってくる感じ。前者なら、同じ「ウィンダミアの歌」でも、戦争利用もできれば人を救うこともできる……というシーンになるし、後者なら、閉塞した場所(ウィンダミア王国)では戦争とかに思考が傾くから、外部からの歌(ワルキューレの歌)が入ってくることも大事だ……というシーンになる。
戦場からの脱出時に、隊長が色々と酒の肴をあげて一杯やるという「日常」の話をしてるのが泣ける。本当、災害も戦争も終わって、アイドルが歌ってお酒を一杯やれる「日常」にいつか帰還したいね……。
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【関連リンク1:当ブログの以前の『マクロス』感想】
→当ブログの『マクロスF』の感想
【関連リンク2:当ブログの2015年アニメーション作品ベスト10記事】
→2015年アニメーション作品ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)