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 アニメ『ラブライブ!サンシャイン!!(公式サイト)』第2話「転校生をつかまえろ!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 演奏会でピアノが弾けなかった。「輝く」ことができなかったということで、梨子さんというキャラクターは同じ音ノ木坂学園という所属・記号でありながら、μ's(ミューズ)になれなかった(「輝く」ことができなかった)人というポジションなのですね。

 作曲担当、髪の色などから、真姫さんのifとも言えそう。焼き直しとか言ってる人もいるのですが、あ、あの、重ねる部分は(意図的に)重ねながら、逆にその差異をあぶりだしていくという手法が創作にはあってじゃな……。

 ある「システム=共同体」の中では本懐を発揮できない人にも、別な受け皿になる「システム=共同体」がある。というのは昨年のアニメベスト記事として書いたこちらの話とも通じそう。↓


2015年アニメーション作品ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)


 前作であんなに輝いてみえたμ's有する音ノ木坂学園にも、輝けなかった、苦悩する人間もいた、というのは良い。

 第一話時点ではこんな感想を書いておりましたが、↓


梨子と千歌が、μ'sとAqoursが同格になれたなら〜ラブライブ!サンシャイン!!第1話「輝きたい!!」の感想(ネタバレ注意)


 今話は梨子と千歌が「同格」になるまでのエピソードなのですね。

 前話ラストだと、千歌から一方的に差し出された手を梨子がごめんなさいするのだけど(この時点ではまだ「同格」じゃない)、今話ラストではお互いに手を伸ばし合ってエンゲージすると(ここで「同格」になる)。

 前話では「普通星人」である千歌は音楽で一生懸命頑張り続けてきた梨子に対して「同格」じゃないという負い目があり。

 今話では逆に、スクールアイドルに本気な千歌に、一時の避難先として関わるというのは悪いという負い目が梨子の方にあり。

 ここで、双方「同格」になる。千歌さんの、音ノ木坂学園という所属・記号&μ'sの文脈では「輝く」ことができなかった梨子さんの、一種の「避難所」として自分たちを使ってくれて良いんだ(メインは音楽で、一時避難場所としてのスクールアイドルでも良いということを言ってる)というのは熱い。曜さんがナチュラルに水泳部とのかけもちなのもそうだけど、この辺りがこの作品のテーマなのかもしれない。

 一系統目、最初に目指した「システム」の中で「輝く」ことができなくても、二系統目、その次の受け皿で仲間を作って「輝き」を目指す道もある、というような。

 ちょっと飛躍して聴こえるかもですが、この関係はめっちゃ東京と地方の関係にも当てはめることが可能で、舞台を静岡の沼津に移して、リアル―作品を横断するコンセプトとしても合致してるなと思ったのでした。


 梨子―千歌
 『ラブライブ!』という作品(μ's文脈)―『ラブライブ!サンシャイン!!』という作品(Aqours文脈)
 東京―地方


 という対照構図ですね。

 千歌と梨子との関係が「同格」に縫合されていく物語が、地方と東京の分断を縫合していく方の力学に繋がるように志向してるところまで射程に入っているのですよ。そこまで遠景に構築した上での、ラストの(「同格」で)手を繋ぐというシーン。凄い作品ですよ。

 あとは、まだμ'sとAqoursは全然「同格」になってないので(今話時点では、千歌はμ'sのフォロワーに過ぎない)、Aqoursが自分たち自身のオリジナルになっていく過程は盛り上がりそうです。

→Blu-ray



→OP主題歌



→前回:『ラブライブ!サンシャイン!!』第1話「輝きたい!!」の感想へ
→次回:『ラブライブ!サンシャイン!!』第3話「ファーストステップ」の感想へ
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【関連リンク1:当ブログの『ラブライブ!』前シリーズの感想】

ラブライブ!The School Idol Movie/感想(ネタバレ注意)
『ラブライブ!』(1期&2期)感想目次はこちら

【関連リンク2:アイドル論@2016年】

AKB48・μ'sが敷いたアイドル「システム」をブチ殺す(え)段階に入る? 10年代後半型アイドル達:『ラブライブ!サンシャイン!!』・『アイカツスターズ!』そしてSCK GIRLS

【関連リンク3:当ブログの2015年アニメーション作品ベスト10記事】

2015年アニメーション作品ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)