townslightshyoushi

 相羽です。

 昨年夏に(ほぼ)毎日更新でWEB連載していた小説『こちら街アカリの復興部!』の「改稿版」を、改めてWEB連載中です。

 今回から新しく読んでくださる方はもちろん、昨年のヴァージョンから今回の改稿版はだいぶ変わってるので、もう一度読んでやるかという方も各々のタイミングで読んでやって頂けたら喜びます。「ノベラボ」様は(スマホからも)縦書きで読む仕様で、けっこう雰囲気がありますよ。

 本日は第19節/宇宙忍者怪獣と真実の雪 (2,841文字)……をアップです。本日は「総合(すべて)」16位・「青春・友情」2位ありがとうございます!)

 この後も、毎週、月、水、金に一節ずつ更新の予定となります。

 小説『非幸福者同盟』ともども、こちらの方もよろしくお願いします。

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こちら街アカリの復興部!/ノベラボ


 以下、軽く去年公開していたヴァージョンと今回の「改稿版」の違いなどについてライナーノート。
・第19節/宇宙忍者怪獣と真実の雪

 →物語縦軸のゲストキャラポジションの真雪が本格的に登場してくる節。「改稿版」では真雪の回りを一番変えましたかね。それに関してはまた別の節の時に。

 あとは、祈を掘り下げてる節でもある感じです。後半のそこはかとなく荒れてる感じは、こういう、実はこの世界汚いでしょ!? みたいな文学少年みたいなの、青春時代に近くに一人くらいいたなぁとしみじみとしてほしいところです(笑)。

 え、いなかった!?


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 悠未の方は悠未の方で、気を抜くと自分自身が威圧的な存在に映ることを自覚していた。続く言葉は、そんな彼なりにあみだした処世の方法である。

「分かりました。では、コツメカワウソのモノマネをしましょう」
「は、はあ」
「ふぉっふぉっふぉっふぉっ」

 悠未はそう言って胸から肩にかけて上下させ、両手でハサミを作ってチョキチョキとした。

「コツメカワウソじゃないじゃん!」

 祈が一応、突っ込みを入れてくれる。

「ユーちゃん。ネタが古かったんじゃない?」
「いえ、分かります!」

 幸いなことに、女性はコクコクと頷いてくれた。

「アレですよね、アレ」

 そう言って、この国では有名な宇宙忍者怪獣の名称をあげてくれた。

 悠未は陽気なお兄さんを演じてニっと笑うと。

「良かった。では、お話をお聞きしましょう。俺のことはハサミとか持ってる遠い星から来た何か、くらいに思ってください」

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 この辺り、僕は好きなんですけどねw。

 震災以前からある過去の虚構(イメージ)が「共有体験」として機能して人間関係を媒介してくれる……というシーンが作中に何度も出てくるのは意図的なものです。

 消えなかった(消せなかった)虚構(イメージ)の意味、みたいな要素がある作品だったりなので。

 「改稿版」、よろしくです!↓


こちら街アカリの復興部!/ノベラボ