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 相羽です。

 アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト(公式サイト)』第五話「キラめきのありか」の感想です。

 日にち的には第六話が既に放映されておりますが、とりあえずまだ感想書いてなかった第五話から。

 現在、期間限定で、第一話〜第六話が「スタァライトチャンネル(公式チャンネル)」で公開されております。↓
 感想は、ネタバレ注意です。

 一部、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』第1巻のネタバレも含みます。
 ◇◇◇

 まひるの「嫉妬」に焦点が当たっている話なのですが、これまでの流れの延長でやはり「共同体」と「競争原理」の二律背反をも題材として扱ってる一話に感じられました。

 まひるが、「共同体」要素が強いキャラなのですね。

 まひるの「共同体」要素、主には


・「北海道の家族(露崎ファームの6人)」
・「北知安中学校」


 です。

 まひるに「家族」の要素、特に「お祖母ちゃん」がまひるにとって重要な存在だというのは、前日譚コミックス版『少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア』で描かれて補強されてるエピソードだったりもします。

 で、まひるがそのまま「共同体」要素のキャラ、たとえば、「聖翔音楽学園第九九期生」というのはまひるにとって「北海道の家族(露崎ファームの6人)」や「北知安中学校」と同じ「共同体」だよ! だったら問題は起こらなかったと思うのですが。

 あろうことか、まひるは「去年のスタァライト」の舞台袖での華恋とのエピソード以来、「キラめき」のありかを華恋に依存する、「セカイ系」、「わたしと華恋ちゃん、それがセカイ」みたいな状態に突入してしまっているのです。

 というわけで、まひるが抱えてる問題の一つは「セカイ系」。

 2018年にまだ「セカイ系」の呪いを解く物語やるの!? って感じでもありますが、これまで本作は『仮面ライダー龍騎』っぽいと感想では書いてはきましたが、この部分は『仮面ライダーカブト』っぽいですね。

 今話とか、「擬態天道とひよりだけのセカイ」に閉じこもっていたひよりを真・天道が解放する流れと、「(想像上の)華恋ちゃんとまひるのセカイ」に閉じこもっていたまひるを真・華恋が解放する流れと、だいたい同じですからねw

 ヤバい。これ、最終回は華恋が「私はあなたとあなたの生きる世界をスタァライトする!」って言ってスーパーヒーローになる展開あり得るよ。

 この話、『仮面ライダーカブト』とか知らないという方にはスイマセンw


参考:平成仮面ライダーシリーズ紹介1:仮面ライダーカブト


 で、もう一つのまひるさんの問題は、やはり「競争原理」関係。

 これはまあ女子同士だけど「恋愛」と言ってしまいますが、「恋愛」要素も「競争原理」を題材として扱う作品では関連項目として扱われることが多いです。

 近年のヒット作ですと、『響け!ユーフォニアム』で秀一という一人の異性をめぐる久美子と葉月の「恋愛」パートが、作中の吹奏楽における「一つの椅子」を奪い合うオーディション(競争原理)と絡めて描かれていたりしました。


参考:響け!ユーフォニアム番外編「かけだすモナカ」の感想〜椅子に座れなかった存在への抱擁(ネタバレ注意)


 「競争原理」を勝ち抜いてたった一つのポジション・ゼロやトップスタァを目指すのと、(他の異性との)競争を勝ち抜いて一人の異性を射止めるという構図が同系の力学によるものなので、本作でも「競争原理」と「恋愛」が重なる感じで描かれているのですね。

 で、まひるの場合は当然、華恋という一人の相手(同性だけど)を、ひかりと「競争原理」で奪い合う……という構図が、今話で問題として浮上してきます。感想でずっと書いてましたが、華恋は「みんな」をスタァライトすると言うけど、まひるは華恋を独占したい。そこに「ズレ」がある……という問題ですね。

 で、「セカイ系」の方の問題も、「競争原理」の方の問題も、今話のレヴューパートを通して、ひとまずは解決した(一区切りした)感じになっておりました。

 「セカイ系」の問題。

 →

 「キラめき」を華恋に依存していたまひるに対して、華恋が「ノンノンだよ。キラめいているよ」と、別に華恋に依存しなくても、まひる個人にまひる本来の「キラめき」があると、まひるを「(想像上の)華恋ちゃんとまひるのセカイ」から解放します。

 「競争原理」の問題。

 →

 上記の流れとも関係しますが、まひるの北海道の家から贈られてきたお芋が象徴的な役割を果たします。

 今話前半では贈られてきたものもビデオもまひるは肯定的に捉えられなかったのですが、レヴューシーンで「(想像上の)華恋ちゃんとまひるのセカイ」を脱した後は、「北海道の家族(露崎ファームの6人)」や「北知安中学校」に自分の原点があったのを思い出しているのですね。本来のまひる性(「大切な人達を笑顔にできるような。温かいスタァになりたいです」)を再獲得し、ぐーっと、「競争原理」寄りだったところから「共同体」よりに揺り戻しがきてるのが今話のラストです。華恋への恋心(と言っちゃいますが)が無くなったわけではないかもしれませんが、歪な執着からは変わってきているので、上記「恋愛」の「競争原理」関係も一区切りかな感が漂っています。

 「聖翔音楽学園第九九期生」のメンバーで「北海道の家族(露崎ファームの6人)(「共同体」の象徴)」から贈られてきたお芋を食べる……というのは、今話のラストでは「聖翔音楽学園第九九期生」が「疑似家族」という「共同体」として描かれているということだと思います。

 「競争原理」の中にも「家族」的な「共同体」要素はあった。すばらしい……。

 ……

 と、これで、「聖翔音楽学園第九九期生」も「共同体」になった! めでたしめでたしだとシンプルなのですが、まだ第五話ということもあり、やはりどこか「ズレ」が残留してる感じがあるのが本作の怖いところ。

 「聖翔音楽学園第九九期生」が「共同体」っていう「捉え方」がなんか「ズレ」てない? みたいな感じですね。

 まひるが今話で一応解放されたことで、次の爆弾になってるのは大場ななさんで、「脚本」に回った大場ななさんは、去年の「スタァライト」と同じ配役で今年もやりたくて、「変化」を拒絶しているのですね。ここが、華恋の「変化」を拒絶していたまひると、地味に今話で重ねられて描かれているところでした。

 で、以前の感想で書いている通り大場ななさんは「メタ」キャラ疑惑もある人なので、そんな(もしかしたら)「再演(ループ?)」の「変化」を拒否してる大場さんと、今話では華恋の「変化」に向き合えるように一歩踏み出したまひるさんが、同じ「聖翔音楽学園第九九期生」が「共同体」! って笑い合っている。この「ズレ」は怖いですねw

 というか、もう第七話の予告読んじゃってるんですが、第七話にしてもうVS「メタ」キャラ戦なんでしょうか。立ち向かうのは華恋かひかりくらいしかいないよな……。『龍騎』の最初のオーディン戦なみの緊張感。いやー、2018年にゼロ年代の亡霊wも回収しながら、「演劇」題材に色々絡めてひりつくことやってる作品だなぁと思います。本当……。

→Blu-ray



→前日譚コミックス

少女☆歌劇 レヴュースタァライト オーバーチュア1 (電撃コミックスNEXT)
轟斗 ソラ
KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
2018-06-27


→前回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第四話「約束タワー」の感想へ
→次回:アニメ『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』第六話「ふたりの花道」の感想へ
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