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 相羽です。

 『仮面ライダーセイバー(公式サイト@テレビ朝日)』、第2章「水の剣士、青いライオンとともに。」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 世界が一冊の本から始まった……という世界観で、これは、気になる最初の一冊はリアルにも想いを馳せるなら「聖書」が連想されやすいかな、と思います。

 ざっくりと、西洋の物語の系譜(一番は、聖剣を抜くとかは明らかに『アーサー王物語』を意識してると思います)を前提としたような世界観。そして、西洋の物語の土台にはたいてい関連があるキリスト教方面の世界観も踏まえている作品という印象です。

 「ソードオブロゴス」の守護者である女性の名前も「ソフィア」で、これはキリスト教における、西の「マリア」と東の「ソフィア」という題材で、よく物語論から評論とかまで、題材に取り上げられて語られたりしている話です。

 従来型の秩序が西の「マリア」的だとしたら、その代替(オルタナティブ)として東の「ソフィア」的なものも見直してみよう……みたいな方向の話は、もうずっと前からあったりもします。

 文化論的に「ソフィア」って何? という話は、僕が個人的に読んだことがあるものだと、中沢新一氏の『東方的』という本がおすすめだったりです。

東方的 (講談社学術文庫)
中沢新一
講談社
2019-06-28


 「ソードオブロゴス」の「ロゴス」も"logos"で、"language(言葉)"と関係がある語で、「初めに言葉があった。」のキリスト教方面の世界観が想起されたりしますしね。(「言葉」は一般的に「物語」を構成する重要な要素でもあります。)

 飛羽真が『ジャックと豆の木』(「ジャッ君と土豆の木」)のワンダーライドブックを使う→地面に撃つ→倫太郎、地面に撃つのは意味がないと言う→巨大豆の木がはえてくる→豆の木を登ってアクション! の飛羽真に倫太郎が感動する……

 の流れが良かったです。

 決め台詞が、「物語の結末は俺が決める」というのもあり、従来規定されている物語の発想を、超える発想をし得るという小説家(物語をつくる人)・神山飛羽真(かみやま・とうま)の主人公特性がカッコいい。

 そんな感じで、(もしかしたら)『聖書』に、『ジャックと豆の木』に、『ピーターパン』(ピーターファンタジア)に……と、虚構的、物語的な方向に広い遠景が描かれた上で、

 今回のエピソードのラストは、須藤芽依(すどう・めい)さんが買ってきたエクレア。

 これは、遠大な「物語」から現実の「日常」に帰還した……的な表現なのかなと思います。

 芽依さん、倫太郎がわずかに見せた甘いもの(というかこの世界のお菓子)に興味あるのかな? という様子をちゃんと見ていて、エクレアを買ってくるんですね。

 芽依さんは第1話では(ある意味飛羽真が書く小説=虚構よりも優先して)友達と遊びに行くって言ってたり、「日常」のささやかな楽しさ、良いこと、嬉しいことを見逃さない人として描かれています。

 今話の「エクレア」が、第1話の「両親と子供が過ごす当たり前の誕生日」に相当する、「ささやかな『日常』のよいこと」要素なんですね。

 『物語(=虚構)』を前面におして題材にしている作品でありながら、壮大な物語的遠景が描かれるほど、でも、今、ここにある何気ない「日常」の良さって大事だよね……というのも浮かび上がってくる構造になっている作品だと思います。

 芽依さんは、そういった本作での「守るべきもの」要素を自然と携えている、重要なキャラクターなのだと思います。たいてい作品全体のエッセンスが凝縮されている第1話で主人公の飛羽真が「守る」と言っているだけはあるな〜と思ったりなのでした。

→RKF



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