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『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会(公式サイト)』第6話「笑顔のカタチ(⸝⸝>▿<⸝⸝)」の感想です。
ネタバレ注意です。
天王寺璃奈(てんのうじ・りな)さんの抱えてる課題は、「自分の表情が見られていると思うと言葉が出ない(自分の本心を表現できない)」ということ。
この問題に対して、侑を含む他のメンバーたちの助力から着想を得た、今話で描かれた解決策は主に二つ。
1. 現時点でできないこと(欠点)はそれはそれとして認めて、得意分野で補おうという、自分の欠点に対するある種の受容
2. 仮面をつければ表情が見られていること気にしないで自分を表現できるのでは! という閃き
これ、エンタメ作品としてそこまで重くならないようにか、心理的課題である「自分の表情が見られていると思うと言葉が出ない(自分の本心を表現できない)」が、「自分を表現できない」にあたっての課題として、今話では描かれておりますが。
リアルにも目を向けてイイなら、病気とか障害とかで止む終えず色々できず、自分にダメ出しをしてしまい、自分を表現したりはできなくなってしまいがちな人たちというのはけっこういるわけで。
そういった人たち全般に向けても通じるメッセージ(エピソード)になっていると思います。
もうちょっと深刻に、腕がないとか、車椅子でしか生活できないとか、リアルに病気とか障害で、自分の本懐を表現するなんてちょっと無理かも……という状況の人はたくさんいます。
そういった課題に対して、「1」はまずは心理的な部分。璃奈の、一般的にはアイドルにとっては大事とされている顔出しはできないけれど、その分は技術で勝負……というのは。
スポーツなら胃腸が弱い(欠点)のでたくさん食べてガンガン筋トレとかはできない私、でも戦局を俯瞰したりは得意なので、フィジカル重視でドリブル突破型選手とかにはなれないけれど、運動量が少なめでもパスがめちゃめちゃ上手い選手を目指そうとか、そんな感じの方向です。
一般的にマイナスとされることが自分にあるとして、それを認めてみると、その分のエネルギーをそれを補う得意分野に注力できたりする。
そして、「2」、仮面はテクノロジーの象徴だと思うので、前述の病気とか障害の例なら、腕がなくなってしまったけれど、最新の義手で補おうとか、車椅子生活になってしまったけれど、最新テクノロジーを搭載した車椅子に改造して、可能な限り自分を表現できる状態・環境を目指そうみたいな方向です。
最善では、ないかと思います。やはり、めっちゃ健康な肉体でばんばんアクティブにアイドル活動とか、やりたい理想はあったかもしれない。だけど、技術で補いながらの次善の自分の表現で勝負できる。次善の自分の表現を受容してくれる他者たち(劇中では他の同好会のメンバーたちとか、今回ライブに来てくれた三人のクラスメイトとか)が、この世界のどこかにはいるはずだ。
これは、カッコいいメッセージです。
視聴しながら、吉藤オリィさん(Twitter)の研究とか、ちょっと思い出してしまった。
参考:外出が困難な人たちの孤独の解消がミッション。遠隔操作型ロボット「OriHime」開発者の吉藤オリィ氏インタビュー/Think IT
仮面(テクノロジー)で補ってアイドルができてイイ! は、ハイテク車椅子で補ってアイドルができてイイ! あたりまでもうかなりの程度繋がっている話だと思うのでした。
というか、設定上、虹ヶ咲学園には車椅子の子とかも通学してるのかもですね。
また、ステージ前の璃奈が、ディケイドアーマー装着! 出陣! みたいでとてもカッコいいんですよね。
オーソドックスなアイドル像とは違っても、これはこれで、めちゃめちゃカッコいいよね!? という表現になっている。ディケイドアーマーについて検証しました。#仮面ライダージオウ#虹ヶ咲 pic.twitter.com/UbZoqyZtyw
— TJ-type1 (@tjtype1) September 28, 2019
一般的に素晴らしいとされていること(顔出し)に必ずしも乗らなくても、テクノロジーで補った自分なりの表現でよい、というのは、必ずしもラブライブ!(スクールアイドルの世界では一般的に目標とされている素晴らしいはずのこと)に出なくても、優木せつ菜は、本来の自分を表現し、全うして幸せになってよい、という第3話と通じる部分で。
こういった、何だか私たちが生まれる前から決まっていたかのような、こうした方がよいという固定観念に囚われずに、本来の自分を抱きしめて表現していってヨイ、というのが『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』という作品のテーマの一つだと思うのですが。
●固定観念的な(こうした方がよい、こうあるべき、みたいな)現実
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●そういったものに囚われない、自由な本来の自分の表現
この間にある溝を埋めるのに、テクノロジー(仮面)が出てきたのが、めちゃめちゃ熱いな! と思った第6話だったのでした。
→Blu-ray
→テクノロジーと自己実現の話など
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距離をとったまま一つになる方法を模索するコロナ禍型ラブライブ!〜『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第1話の感想 - ランゲージダイアリー https://t.co/Jcdnyp0qVQ …ブログ更新です。第1話と第2話を何度も観返して気づいたことなどをば。#虹ヶ咲 #虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
— 寂しいシロクマ(相羽裕司)/仙台市太白区 (@sabishirokuma) October 19, 2020
→前回:距離をとったまま一つになる方法を模索するコロナ禍型ラブライブ!〜『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』第1話の感想
→前回:エマ・ヴェルデちゃん
→次回:『虹ヶ咲』2期と中国語の学習意欲へ
→『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』感想の目次へ
【関連リンク1:当ブログの無印『ラブライブ!』の感想】
→ラブライブ!The School Idol Movie/感想(ネタバレ注意)
→『ラブライブ!』(1期&2期)感想目次はこちら
【関連リンク2:アイドル論@2016年】
→AKB48・μ'sが敷いたアイドル「システム」をブチ殺す(え)段階に入る? 10年代後半型アイドル達:『ラブライブ!サンシャイン!!』・『アイカツスターズ!』そしてSCK GIRLS
→普通「星」人の光が届いてモブ子さんは半分だけ「演者」になる〜ラブライブ!サンシャイン!!最終回の感想(ネタバレ注意)
【関連リンク3:自分が自分であること、「自同律」を題材にした作品について】
→少女☆歌劇 レヴュースタァライト最終回の感想〜愛城華恋と再生産(ネタバレ注意)
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→映画『聲の形』の感想〜ポニーテールで気持ちを伝えられなかったハルヒ(=硝子)だとしても生きていくということ(ネタバレ注意)