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 相羽です。

 映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の感想です。

 この記事を書いているのは〜TVシリーズ、旧劇場版、貞本義行先生の漫画版、これまでの新劇場版、全部観ている(読んでいる)……といったくらいの『エヴァ』ファンの者です。

 ここから先、映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』全編&ラストまでのネタバレを十全に含みますので、まだ観てない人は読まないようにして頂けたらと思います。

 『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』をまだ観てない人は、必ずここで戻って頂けたらと思います。
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 『エヴァ』、わりと「母親の意図が不明」というのが重奏的に描かれていて。


・ユイさん(全編を通して基本、意図が明確にはされてない謎の人物ポジション。)
・ミサトさん(今回母になっていたと明らかに:『Q』では意図が不明だった。)
・アスカの母(旧TVシリーズの方:アスカのことを本当はどう思っていたのかは不明だったと解釈。)


 それが、今回ヒカリが母になってたり、第3村でも新しく母になる普通の人がいたり、「母」という要素が解きほぐされて、上記の不明だった意図は、ほぼほぼ昇華されるのですね。

 なので、「真相の近くにいた母」という要素からすると、重奏のフィナーレとして、「イスカリオテのマリア」であるマリ。

 これは、何を言ってるのかは僕も分かりませんでしたが(え)、本当にマリは聖母マリア的な何者かだったのだとしたら、「母」物語の結末として、いわば「メタ母」であるマリといっしょにシンジくんが「現実」へと抜け出してエンド、というのは構造としては綺麗だなと思ったのでした。

 ユイさんを中心に、母の愛はあった……というのが明らかになる完結編の映画だったりで。

 関節的に、(TVシリーズの)アスカの母も、何か歯車がくるってしまっただけで、本来的にはアスカを愛していたんじゃないかって感じの救いになっていたと思います。

 アスカは今回本当に良かったですね。

 僕もTVシリーズとか『旧劇』の時とかは神話とかにまだ詳しくなかったのですが。

 『Q』以降のアスカの眼帯。

 こういう、「片側が欠けている」描写って、ギリシャ神話のオイディプスとか(片足を引きずっている)、神話学的には「跛行者(はこうしゃ)」であるっていう記号なのですね。


●参考




 何か、バランスを欠いた状態にある……という象徴です。

 それが、今回のラストシーンのアスカは眼帯がとれていて、ああ、彼女の「跛行(はこう)」も終わったんだなと。

 ようやっとアスカも報われたんだなと。

 26年とかかかったけど、庵野監督、宮村優子さん、ありがとう! という気持ちになりましたね。

 エヴァのパイロット的、神的、傭兵的に「跛行」していたアスカが、最後の最後には「ただの人間」になった、というラスト。

 『ハルヒ』と同じ帰結で(というか『ハルヒ』の方が『エヴァ』の影響を受けているのですが)、アスカは「ただの人間」になったエンド。

 アスカは「ただの人間」になって、「ただの人間」のケンスケとくっつく。

 母に愛されていなかったのでは? という疑念から生じた防衛機制としての、「特別」な人間になりたかった願望は成仏したんですね。

 こういう物語だったのだとしたら、アスカはシンジとはくっつかないエンドしかないんだよな……と、僕としてはかなり納得感があったのでした。

 母になること、生理を嫌悪したりしていたアスカが、「ただの人間」のケンスケと結婚して「母」にもなるかも的な可能性が示されたりして。

 ゼロ年代〜テン年代の作品にみられた「特別」にまつわる話は、僕のブログですと、こちらの記事とかにひとつまとまっていますが。↓


響け!ユーフォニアム最終回の感想〜ポニーテールと三人のハルヒ(ネタバレ注意)

(これ、確か5000ユニークアクセス以上とか読んで頂けたうちのブログの代表的な記事のひとつです……。)


 アスカですら、「特別」な人間からは解放されたということで、個人的には「ひとつの時代が終わった」感をかなり感じたアスカのラストでありました。

 アスカに限らず、綾波もカヲルくんも、シンジくんも、みんな結末を迎えていって。

 本当、収束! って感じの最後の『エヴァ』でありました。

 僕も、『旧劇』の頃は神話とか文学に詳しくなかったのですが、「波打ち際」って、神話とか文学だと「境界領域」の象徴を持っているんですよね。

 『旧劇』の時、24年前とかに僕らが映画館で観たあの「波打ち際」が再来して……。

 今回は何の「境界」の象徴なのかっていったら、これは「虚構」と「現実」の「境界」の象徴でしょう。

 「虚構」の中で収束しそうになった間際、マリに連れ出されて、シンジくんも「現実」へと帰還。

 この、26年くらいかかった長い飲み会が終わって、はい、解散〜、解散〜ッ みたいな雰囲気のラストは良かったですね。

 途中でぐでんぐでんに酔っちゃった(「虚構」に耽溺し過ぎちゃってた)人も、酔いはそろそろ覚ましていって。

 各々の現実で、がんばっていこうぜ〜い、よいさ〜。

 みたいな。

 僕の『エヴァ』も終わりました。

 仙台ではTV放映やってなかったので、なんか仲間内で出回っていたVHSのビデオ(あれは、誰かが東京とかで録画したものだったのかな……)でTVシリーズを観たりしてた中学生時代の頃から、26年とか?

 なんだかんだで、『エヴァ』があった時間は楽しかったと思います。

 庵野秀明総監督。制作陣のみなさん。皆々様。本当に、お疲れ様&ありがとうございました。

→【愛蔵版】



→フィギュア



→前回:ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q/感想
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