相羽です。

 アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女(公式サイト』第2話「呪いのモビルスーツ」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 前回第1話の感想で、ミオリネを様々な意味で閉じ込められている「塔の中の姫君」と呼びましたが。

(「塔の中の姫君」は物語論用語なので、詳しくはこちらの本とかでよろしくです。↓





 第2話でもストーリー的にも映像での表現的にも「閉じ込められている」描写がけっこうあって、本当に物語冒頭では「閉じ込められている」という要素が強い、「塔の中の姫君」オブ「塔の中の姫君」なのだな、と。

 分かりやすい視覚的な表現の方の話から。

 今話本編だと、「トイレ」「牢屋」などが「閉じた」象徴として使われていますが、本編以外だとなんといっても今回の第2話から公開されたエンディング映像ですね。

 ざっくりとは、ミオリネは水晶のようなもの(宝石のようなもの?)に閉じ込められている。スレッタが来てくれて、ミオリネとスレッタは「外」に出られたような気がするのだけど、最後のカットではスレッタもミオリネも水晶のようなものに閉じ込められていた……というエンディング映像です。

 視覚表現と、作品としてのテーマとの連動に関して。

 ミオリネとスレッタが何に「閉じ込められている」のか? と言ったら、前回第1話の感想で書いた話だと、「条件付きの世界」に「閉じ込められている」ということになるのですが……

 「条件付きの世界」とか特殊ワードが出てきて戸惑う! という方は、前回第1話の感想でかなり詳しく書いておりますので、そちらも参考にして頂けたらと思います。↓


参考:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話の感想〜「無条件の世界」による「条件付きの世界」への反撃の狼煙(ネタバレ注意)(追記あり)


 「無条件の世界」と「条件付きの世界」の対立項でみていこうと思うとやや抽象度が高いですが、もうちょっと抽象度が下がった話も分かりやすくなってきました。


 親の代の「呪縛」に囚われている=(視覚表現としても、テーマ表現としても)「閉じ込められている」


 ……って感じですかね。

 ミオリネがデリングの影響下でもがいているのは顕著ですし、小説「ゆりかごの星」を読むと、スレッタも母がスレッタを復讐の道具にしようとしているのか? という因縁、呪縛(これは、OP曲「祝福」の歌詞にも出てくるワードですね。)の影響を受けているので、そういう意味で「閉じ込められている」と。

 今回の第2話から公開されたOP映像でも、デリングとレディ・プロスペラが連続で映って、なんかミオリネとスレッタに呪縛かけてるのか? みたいなところとか、かなりストレートじゃないですか。(レディ・プロスペラがスレッタの母エルノラなのかは、いったんまだ置いておきますが。)

 いったん表のようにまとめると、


 「無条件の世界」ー「条件付きの世界」
 「親の呪縛からの解放」ー「親の呪縛あり」
 「祝福」「気高く」ー「親世代が決めたルール」「(過度の)数値化」
 「自由」や「創造」ー「閉じ込められている」
 映像的に開けているー映像的に閉じている



 ……というような感じで。

 それにしても、映像としての「閉じた場所/開けた場所」を、ストーリー上のテーマの表現と連動させるという描き方は、僕世代だと『マクロスフロンティア』を思い出したりしますね。


参考:当ブログの『マクロスフロンティア』感想


 こ、これは、インターネット老人会所属による、特に本作本体とは関連性が薄い付記でしたね……。

 さて、もうちょっと個別の話。

 まず、ニカ・ナナウラさんに関しては、前回のブログ記事というよりはTwitterのツイートで書いていたのですが。



 今のところ、物語冒頭時点で「無条件の世界」要素が感じられるキャラクターですね。

 今話でも、教師に「校則(どちらかというと『条件付きの世界』要素)」を引き合いに出される場面で、「私から貸したんです。彼女困ってて」と言える人(困ってるから人助けは「無条件の世界」要素)。

 そして、教師からもアーシアンとして侮辱されてしまう人(アーシアンとスペーシアンの対立項は、その人を人間ではなく「条件」で見ている。)。

 オープニング映像でも、チュチュと共にスレッタと仲良くなる模様。

 というか、ニカ・ナナウラさん絶対(作品のテーマ上)重要なキャラですよね……。

 以下、スレッタとミオリネ以外で、最初のキービジュアルに載ってる決闘委員会の三人についても。


●グエル・ジェターク

 弟のラウダ・ニール、フェルシー・ロロ、ペトラ・イッタに、ミオリネの「無条件の世界」(への憧れ)の象徴であろう菜園を直すように言った模様。

 フェルシーとペトラ、もっとグエルの「条件」だけを見てるキャラの可能性もあったのですが、グエルが決闘で敗北しても彼への敬意は失ってない感じなので、わりとグエルの「人間」本体も見てくれてるキャラなのかも。ミオリネのあおりに対して「自分のために決闘してくれた編入生をほったらかしてさ」とも言っていて、「条件」とか「数値」ではない、こういう「仁義」みたいな価値観を重んじる心性も持っているという。フェルシーさんとペトラさんは、個人的に現時点でけっこう好きな感じ。

 グエル本人も親に謝罪しているものの、今話ではまだ内側の心、魂のようなものは描写されておらず、次回に期待な感じです。第1話こそ「条件付きの世界」の代表みたいなポジションで登場してきたけど、わりと早めに変化や奥行きが描かれていくキャラなのかも。男子パイロット枠でカッコいいところも見せてくれるのに期待です。


●エラン・ケレス

 まだ読めない人。牢屋という閉じた場所にいるスレッタに会いにきてくれたのは、「無条件の世界」寄りのキャラクターなのか? と感じるところではあるのですが。

 スレッタに食べ物を渡す、というのも、ミオリネと同じ。なのですが、ミオリネがトマトという彼女のお母さん(「無条件の世界」要素)の象徴を渡してスレッタが「外」で食べたのに対して、エランは宇宙食のようなもの(無機的?)を渡してスレッタは「閉じた」場所で食べた、というのが、象徴表現からのみ読み取るなら、ちょっと引っかかるところ。


●シャディク・ゼネリ

 親のビジネスの手伝いをしていて、一見親の「呪縛」に対してうまくやってるキャラなのか? とも映るのですが、逆に賢しい印象も持ってしまって、こちらもまだまだ分からないキャラクター。


 最後にまたミオリネの話に戻ると、「トマト触ったら殺すから」と、お母さん(「無条件の世界」要素)を拠り所にしているふしがあるミオリネに対して、デリングが娘だからといって話を聞くと思ったか? 力がなければ何もできない、という趣旨のことを伝えるという、親子だから、家族だから「無条件の世界」になるとかないから、全て「条件」だからと突きつける、という展開。

 この「閉じた」「条件付きの世界」からの解放の物語にも、バッドエンドルートとトゥルーエンドルートがあるっぽく、「逃げる」とバッドエンドっぽい。ミオリネはターバンの女性と逃げてもよかったのですが、確かにそれだと表面的に「閉じた」場所から出られるかもしれないけれどただの逃避で、「世界」の方は何も変わらないんですよね。

 「進む」がトゥルーエンドへの鍵っぽい。ミオリネは、スレッタの母→スレッタ→ミオリネ……と伝わった「進めば二つ」を唱えて奮起。交渉(と言っていいのか分かりませんが)の終盤は描かれてないので分からない部分もありますが、「決闘」で決めるというところまではデリングからもぎ取ってスレッタのもとへ。ラスト場面でもスレッタとミオリネは牢屋という閉じた場所にいるのが気になったりしますが、とりあえず前の世代がしいたルールから自由になりたいとして「進む」しかないという心情は分かる感じ。「進む」先のトゥルーエンド的、「無条件の世界」、「呪縛からの自由」、「閉じた場所からの解放」、見届けたいので本当楽しみですよ。いや、ガンダムシリーズなので、「無条件の世界」はやっぱり訪れませんでした! 悲哀! みたいなエンディングも十分あり得ますが、ご時世がらスカッとした結末に向かっていく物語を観たい気持ちはあったりしますかね。

 公開されたエンディング曲のタイトルも「君よ 気高くあれ」で、「気高く」とか、「祝福」とか、もう数値化とか条件化とかできない価値を掲げて進んでいくしかない、みたいな勢いは感じます 。「成功者であれ」(「条件付きの世界」)とかではもうないわけなのですよね。「気高くあれ」(たぶん「無条件の世界」)というフレーズには、けっこう令和のガンダム感を感じたりして、いいな! とも思った第2話の視聴感想だったのでした。

・Twitterもやっておりますので、フォローしてやって頂けたら喜びます〜。↓



・ブログに書ききれない考察を「つぶやき」で展開しておりました。「トゥギャッター」さんにまとめさせて頂いていたので、よろしくです。↓

『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2話時点での考察のまとめ/togetter

→Blu-ray



→前回:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話の感想〜「無条件の世界」による「条件付きの世界」への反撃の狼煙(ネタバレ注意)
→次回:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第3話の感想〜たぶん後半でスレッタが(エアリアルにある?)「条件」から抜けるのを今話は先行してグエルで暗示として描いてたお話(ネタバレ注意)
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』感想の目次へ

●当ブログのこれまでの「ガンダム」シリーズ作品の感想へ↓

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』の感想
『機動戦士ガンダムSEED』の感想(大昔のサイト)
『機動戦士ガンダムOO(ダブルオー)』の感想

●当ブログのこれまでの「サンライズ」作品の感想へ↓

『コードギアス反逆のルルーシュ(R2)』の感想&トラックバックセンター
『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の感想