相羽です。

 アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女(公式サイト』第3話「グエルのプライド」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 ミオリネがスレッタとの関係を「取引」と呼称して、「無条件の世界」と「条件付きの世界」の対照からいうと、今話ではまた「条件付きの世界」の方に傾いてしまっています(「地球に行くまで」とか「17歳になったら」とか、「取引」はもろに「条件」なので。)。

 「条件」がどう本作のキーワードとなっているのか? という点については、第1話の感想に詳しく書いておりますので、そちらを参考にして頂けたらと思います。↓


参考:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第1話の感想〜「無条件の世界」による「条件付きの世界」への反撃の狼煙(ネタバレ注意)(追記あり)


 そのようなミオリネが持ちかけた「取引」に対照される概念が、スレッタの「やりたいことリスト」です。友だち関係だとかデートだとか、スレッタのリストはおおむね「無条件の世界」側の要素なのですね。

 つまり、「取引」という「条件」の話をはじめたミオリネに対して、スレッタは「条件」じゃなくて「人間」をみて!/みたい!……とサインを送っているという構図となっているわけです。

 一方で、今話で一気に「無条件の世界」側に振れたキャラクターとして描かれたのは、きました、グエル・ジェタークです。

 第1話では、自分のアイデンティティを「ベネリットグループ御三家の御曹子」、「決闘委員会の筆頭」、「ホルダー」と、「条件」まみれでしか語ることができなかったグエルくん。

 今話ではダリルバルデの意思拡張AIで、親からも「人間」ではなく「条件」とみなされる……という試練を経て、土壇場で自ら意思拡張AIを破壊。彼も、前に進める人間だった。親に対しての「条件」ではなく「人間」としての俺をみてくれと言わんばかりの前進が、カッコよくも悲しいです。

 ラスト。そんなグエルくんに、スレッタからの「あなたはその、とっても強かった」の一撃。この言葉の「あなた」が指しているのは、「条件」としてのグエルではなく、「人間」としてのグエル・ジェタークです。

 心の奥では「人間」としてみてほしくて狂おしいくらいだったであろうグエルくん、即落ち。

 第1話の感想で、


>個人的には、冒頭時点では「条件付きの世界」に囚われまくってたグエルくんが、成長して「無条件の世界」、「本当の愛」を見つけっちゃったりする展開もありそうかなと思ってしまったりして、今回はぶった斬られちゃったけど、グエルくん応援したくもなっちゃってるぞ!


 第2話の感想で、


>グエル本人も親に謝罪しているものの、今話ではまだ内側の心、魂のようなものは描写されておらず、次回に期待な感じです。第1話こそ「条件付きの世界」の代表みたいなポジションで登場してきたけど、わりと早めに変化や奥行きが描かれていくキャラなのかも。男子パイロット枠でカッコいいところも見せてくれるのに期待です。


 と書いてはおりましたが、この展開早かったですね!(笑)

 こういう文脈で、「条件付きの世界」に対しての「無条件の世界」要素としての「本当の愛」みたいな(物語上の)ニュアンスが入っちゃってるので、グエル→スレッタ感情は「(笑)」という感じでもなく、物語全体上の一大要素という感じです。

 今回の第3話という物語(全体)上ちょうどよいタイミングでグエルが意思拡張AIを壊して「人間」を取り戻すという展開を描いたのは、これ、エアリアルにも何らかのスレッタの「人間」を無視するようなオートモード系の今話の意思拡張AI的なる何かが仕込まれていて(仕込んだのがお母さんだったら、今話の展開とも「『親』からの呪い」要素で付合しますね……)、ストーリーの後半でスレッタが絶体絶命から「人間」を取り戻すという展開を描くための暗示とかですかね。

 第1話では敵対する立場で出てきたグエルくんが第3話でみせた「条件」に従わせる自動化から「人間」を取り戻す意志が、お話の後半でスレッタが同種のピンチに陥った時に、勇気を与えるものとして物語上の意味を持ってくるという構成なのだとしたら美しいなと思ったりなのでした〜。

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→前回:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第2話の感想〜親世代の呪縛でかためられた「閉じた」場所から自由を目指して進むということ(ネタバレ注意)へ
→次回:『機動戦士ガンダム 水星の魔女』第4話の感想〜生の拳で殴り合うという身体拡張世界での人間性の回復(ネタバレ注意)
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