相羽です。

 2022年も、そろそろ終わりです。

 日々色々ありつつも、様々な作品に触れながら元気を貰っていた感じです。

 というわけで年末恒例の、その年にふれた創作作品のベスト記事です。

 アニメだけから選んでる年とか、色んな部門を選んでる年とか、全部シャッフルから選んでる年とか、年によってはやってなかったりとか、わりとアバウトなんですが(え)、今年は全部(小説、漫画、アニメ、ゲーム)シャッフルの中からベスト10を選ぶかたちでやってみます。

 その時その時のタイミングで順位は変わったりするので、ランキングというよりは、実質「10選」くらいの気持ちで読んで頂けましたらと。

 今年は軽めです(書き終わったらそうでもなくなりました!)。各作品の感想部分は2、3パラグラフ程度&以前書いたものへのリンクにどめております。
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 第10位:漫画『ティアムーン帝国物語 〜断頭台から始まる、姫の転生逆転ストーリー〜』

 僕は主に杜乃ミズ先生のコミカライズ版を読んだのですが、来年(2023年)アニメ化(アニメ公式サイト)が決定されてる部分でやるのはここまでかな? という一番盛り上がる箇所は(まだコミカライズされてない)原作小説の方で先を読んで知っているので、本当そこまでは映像化してほしいなと思っております。

 主人公のミーア役が上坂すみれさんなので、上坂さんが演じたキャラクターの中でも代表的なキャラの一人……となるのでは!? というくらい、上記のシーンはイイです。

 コメディが面白い作品ながら、フォーマットとしては一人の女をきっかけに国が、世界が変わっていく物語……なので、上坂すみれさんは天命の配役だと思ったりもしております。







 第9位:ライトノベル『想いの重なる楽園の戦場。そしてふたりは、武器をとった』(富士見ファンタジア文庫の公式サイト

 後半の視点がセスカに切り替わってからの、もはや世界の全部を知ることなど不可能だし、実際けっこう騙されていたが、それはそれとして譲れないものがあるのだ、とよれよれで行動開始するところが好き。

 その譲れないものというのが……幼馴染のレーネちゃんです! という百合です。

 世界のために犠牲になろうとする女の子と、それに納得がいかない女の子……というゼロ年代、テン年代作品のフォーマットを踏まえつつ、その先まで射程に入ってる、今年最初に令和の作品だな! と思ったライトノベルです。









 第8位:アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』(アニメ公式サイト

 グエルくんが裏主人公と言えるくらいの重要なポジションにいるキャラクターだと思っておりますが。

 物語冒頭では、「ベネリットグループ御三家の御曹子」、「決闘委員会の筆頭」、「ホルダー」と、僕が感想で使ってる言葉だと「条件付きの世界」の文脈でしか自分のアイデンティティを語れなかったグエルくんという男が、1クールラストではあらゆる「条件」を失って、グエルどころか「ただのボブ」になったところで1クール最終話突入なのですよね。

 シリーズ構成が『コードギアス 反逆のルルーシュ(R2)』の大河内一楼さんですからね。これくらいの作品になってくると、脚本の方本人の魂の本質を最大限に解放できる構成でくると思うので、昔から当ブログを読んでくださってる方向けの馴染み深い用語を使ってみると、第1クールラストが『コードギアス』と同様にアイデンティティロストエンド、第2クールが「Allグエル」(主人公的には、何らかの意味での「Allスレッタ」的なる「何か」)への到達というシリーズ構成でくるのではと予想中です。


参考:コードギアス反逆のルルーシュR2感想&トラックバックセンター


 第1話冒頭の印象とは逆に(もっとグエルの「条件」をみてるキャラたちかと思ってた)、グエルだろうがボブだろうが、フェルシーとペトラはグエルくんに助力してくれる、という展開が来たら泣きますよね……。









 第7位:漫画『転生王女と天才令嬢の魔法革命』

 来年(2023年)1月4日からアニメ放映開始(アニメ公式サイト)なので、本番は来年であろうという作品ですが、今年(2022年)も原作小説&コミカライズの最新刊が刊行。特に南高春告(なだかはるつぐ)先生のコミカライズ版が継続的に連載していて、僕はそれを追っていたので今年の扱いでもランクインということで。

 百合作品でもありますが、もうアニスフィアもユフィリアもティルティも、表層どうこうでなくむき出しの魂で世界と向き合ってるみたいな感じですから。ユフィリアは、当初は世界というより国と向き合ってるみたいな感じですが。より広い視野を持ってるアニスフィアに惹かれて……みたいな感じなんだけど、実は……みたいな。

 アニメ第1話は先行上映で視聴しておりますが、神アニメになっていたので、来年1月4日は要チェックです。

 また、今年マンガフルさんで本格的な作品紹介記事を書かせて頂いた作品でもあるので、そちらの記事も読んで頂けたら喜びます。↓

recommend-magirevo_eyecatch

『転生王女と天才令嬢の魔法革命』の百合×バトル×研究の魅力を紹介!二人の少女が世界を変えていく物語/マンガフル





 第6位:漫画『ONE PIECE(ワンピース)』

 「ジョイ・ボーイ」登場&「最終章」突入で、大いに盛り上がった2022年の『ONE PIECE(ワンピース)』。

 これだけ長大でかつめちゃめちゃ面白く、たくさんの人々に共有されながら進行している物語作品というのが、漫画史上というか人類史上これまでない気がするので、空前の出来事に立ち会ってるという感覚があります。

 「ジョイ・ボーイ」登場は、もうちょっと前から考察記事を仕上げてアップしておけば、あの回の週はドヤ顔できたのに! と、齢四十にして惑わずには至らず、まだまだ「ドヤ顔したい欲求」との折り合いをつけていかねばならぬ我が人生かなと自身の不徳を省みたりしておりました。

 ちなみに、「ひとつなぎの大秘宝」の正体に関しても、おそらくこういうものだろうなという考察はあったりします。

 十年前ならいざ知らず、最近の連載分のエピソード、特に「最終章」以降を読み始めてからはかなり「わかった」という人多そう。

 されど、こちらは考察記事とかにまとめる予定は今のところなしです。当たったら当たったで大変そうなので(え)。うんうん、こうして、「ドヤ顔したい欲求」と折り合いをつけながら大人は生きていくのですね……。







 第5位:ゲーム『Fate Grand Order 第2部 第7章「Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 惑星を統べるもの」(前編)』(ゲーム公式サイト

 まだリリースされたばかりなので、コアなネタバレの感想は控えておきますが。


・剪定事象と編纂事象が同時に成立
・ある神において、複数の神が同時に成立


 こういう、(論理学でいう)「排中律」をなくしたような事象が物語の終盤で大事になってくるのかなと思っているのでした。

 神話って、そもそもそういうところが、我々の現実世界よりファジーで面白いのだと思うので、なんか色々神話とかが題材な作品である点が昇華されてきたなと感じたりしているのでした。

 まずは「後編」待ちですが、その次はいよいよたぶん「終章」で、7年以上追っているゲームの物語の結末が近いのか……と感慨深くなっているのでした。





 第4位:アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』(アニメ公式サイト

 第6話の廣井さんの「敵を見誤るなよ」のところが一番好きです。

 ぼっちちゃんの世界をネガティブに捉えるところは、世界の方もともかく、ぼっちちゃんの主観的な捉え方、フィルターの方に何かしら「ズレ」があることも確かなわけで(世界との「ディスコミュニケーション」の眼鏡をかけてるような感じ。)。

 その点を、大上段から上から目線で言うでもなく、でも適切なタイミングでちゃんと伝えられるの、廣井さんは大人ですよ。カッコいいですよ。いつもお酒ばっかり飲んでるけど。

 最終回のぼっちちゃんダイブも、廣井さんを念頭において敢行してるので、ぼっちちゃんの中で廣井さんの存在はけっこう大きく描かれているのですよね。ぼっち的気質でも幸福に生きていけるかも的指針となる先人。

 まだ原作漫画の先を読んでないのですが、「守・破・離」でいったらアニメの段階はぼっちちゃん廣井さんの「守」の段階なので、「破」や「離」まで描かれるのか楽しみです。

 最終的に、「ギターと孤独と蒼い惑星」的というか、ぼっち的ではあるが、それこそが後藤ひとりという人間の本来性であるという固有の音楽性みたいなのが、表題どおり「ぼっち・ざ・ろっく」として立ち現れる、みたいなところに向かっていくのですかね……。











 第3位:アニメ『デリシャスパーティプリキュア』(公式サイト

 コロナ禍でいっしょに食卓すら囲みづらくなった水平の「分断」、過去から、親世代、お祖父ちゃんお祖母ちゃん世代から贈られてきたものを、本当は善なるものであったはずなのに呪いとして受け取ってしまう垂直の「分断」、もうどうしようもないのだろうか? というところからの人類共通の「集まれる」アレがあるじゃないか、そう、「ごはん」がね! という作品。

 今年、「大ごはん共同体」の可能性をみました。

 プリキュアシリーズはすごすぎて言葉もないくらいですね。来年(2023年)が20周年で何か大々的にやるっぽいんですが、もう世界平和の大事な部分をになってるんじゃないかくらいの勢いの作品群、というくらいの気持ちでいます。マジで!









 第2位:アニメ『リコリス・リコイル』(アニメ公式サイト

 最終回で「統制概念(とうせいがいねん)」が表明されるのが最高に良かったですね。

 「統制概念」、物語作りとかする方向けの専門用語の趣がありますが、「テーマ」よりももうちょっと踏み込んで、「世界とはこういうものであるという表明」みたいな感じです。現実という無限の時間・世界で捉えどころのない全体を、フィクションというかたちで「こういうものだ」と有限に凝縮して表現・表明するのが「物語」なので。

 基本的に「統制概念」がしっかりしている物語は、イイ物語です。

 「統制概念」、詳しくはロバート・マッキー氏のこちらの本とかに載ってます。物語作りする人向けかもですが、読み手・受け手としても知ってると色々と物語体験が深まる話が載ってる本です。↓



 作品の「統制概念」というより、錦木千束という人間の「統制概念」なんですけどね。最終回の主題歌がかかりはじめるところで表明されるのは。ああ、そういう風に世界を捉えていたのなら。だからこういう風に生きてきたキャラクターだったのか……と、これまでの錦木千束の描写がダーッと繋がってきて、そのままクライマックスに突入という。

 そして、その「統制概念」すらも木っ端微塵に砕け散って(不殺の解除、塔からの落下(しかける)のところね)、いわゆるいったんの「死と再生」というコテコテの物語論的帰結からの、いったん死んだんだし、というノリでのハワイ編へ……という最高の最高の視聴後感の作品。

 若干、ワイハのパートの評価がまだまだ低い印象を持ってます(笑)。おバカパートっぽくもありますが、神でも聖観世音菩薩でもなく、人間だった、死んだ(それまでの「統制概念」はいったん砕け散った)、という後なので、なんだか知らぬがハワイにいる錦木千束っていうのがよくて……。

 続編があるとしたら、(物語論的に)「生まれ変わった後」みたいなニュアンスになりそうな気がするのですが、それはそれとして、その前にとりあえずワイハだ! というあたりが最高にイカしてる作品だと思うのでした。













 第1位:映画『すずめの戸締まり』(公式サイト

 新海誠監督の『君の名は。』に僕が批判的だった理由は、主に以下の二点、


・色々とギミックを使って劇中では無標な感じにまとめているものの、どうしても主人公たちの活躍によって東日本大震災(が重なるように描写されている彗星災害)が「なかったことになった」帰結にみえてしまい、「東京の人の被災地を無視して上から目線で震災を総括してしまいたい欲求が反映されているような印象」を受けてしまう。

・それでいてファンタジーな要素で装飾してボカしているので、いざとなったら「あくまでファンタジーですので」と言い訳できそうな、逃げ道を作ってるような感じが印象がよくなかった。


 なのですが、これらは本作では完全に改善されていました。

 ちゃんと「震災をなかったことにする話」ではなく「なかったことにはできないが、向き合って過去と折り合いをつけていく話」になっていましたし。

 ファンタジーな要素はある作品ながら、東日本大震災は劇中で実際に起こった出来事として明確に描かれており(映画館で配布された「新海誠本」でも「企画書を書く段階で、これは震災の映画であると明確に決めていました。プロデューサー陣にも確認を取って、その覚悟を共有してから制作を始めたつもりです。」とあります。)、主人公も明確に劇中で東北の被災地を訪れます。

 問題点をちゃんと改善して表現として新たに実現化するといういとなみ自体が素晴らしいと思いますし、特に後者に関しては、今回は覚悟を決めて作ってくれたんだなと尊敬の念を覚えました(東日本大震災を直接あつかう作品をつくるというのは、それだけでかなり大変なのです。)。

 なので、僕の新海誠監督への評価は完全に反転して、この映画で感謝の念を抱くようになりましたし、問題があったと感じている『君の名は。』に関しても、この『すずめの戸締まり』に至るまでの過渡期に必要な作品であったのであろうという位置付けで、前向きに捉えることもできるようになりました。

 東日本大震災から11年ほどが経って、ひとつの震災文学(という言い方をあえてしてしまいますが)の最高峰の作品が生まれたと思います。

 『すずめの戸締まり』は本当に素晴らしい映画でありました。





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 以上、今年2022年の「2022年ランゲージダイアリー的今年ふれた作品ベスト10」でした。

 自分の執筆とかが中心になりつつも、来年もタイミングが合った時に創作物に触れて、感想とか書いていけたらな〜と思っているのでした〜。

●参考リンク:以前の当ブログのベスト記事など↓

・2021年
2021年ランゲージダイアリー的ベスト

・2018年
2018年ランゲージダイアリー的ベスト

・2016年
2016年「アニメ作品」ベスト10〜過去の悲しい出来事を受け取り直し始める震災から五年後の想像力(ネタバレ注意)

・2015年
2015年「アニメ作品」ベスト10〜共同体から零れ落ちた人間にも、それまでとは違うカタチなりの祝福を(ネタバレ注意)

・2014年
2014年ランゲージダイアリー的ベスト、「アニメ部門」へ
2014年ランゲージダイアリー的ベスト、「漫画部門」へ

・2013年
2013年ランゲージダイアリー的ベスト、「漫画部門」へ
2013年ランゲージダイアリー的ベスト、「アニメ部門」へ
2013年ランゲージダイアリー的ベスト、「小説部門」へ

・2012年
ランゲージダイアリー的「2012年にふれた作品ベスト10」

・2011年
ランゲージダイアリー的2011年ベスト/アニメ編
ランゲージダイアリー的2011年ベスト/小説編

・2010年
ランゲージダイアリー的、2010年見たアニメベスト

・2008年
ランゲージダイアリー的、2008年ベスト

・2007年
ランゲージダイアリー的2007年ベスト

・2006年
音楽部門/ランゲージダイアリー的2006年ベスト
映像部門/ランゲージダイアリー的2006年ベスト
漫画部門/ランゲージダイアリー的2006年ベスト
活字部門/ランゲージダイアリー的2006年ベスト

・2005年
ビジネス書部門/ランゲージダイアリー的2005年ベスト
音楽部門/ランゲージダイアリー的2005年ベスト
漫画部門/ランゲージダイアリー的2005年ベスト
映像部門/ランゲージダイアリー的2005年ベスト
小説部門/ランゲージダイアリー的2005年ベスト

・2004年
2004年度音楽部門ベスト。
2004年度映像部門ベスト。
2004年度漫画部門ベスト。
2004年度活字部門ベスト。
2004年度ベスト・オブ・ベスト。