アニメ『グレンダイザーU(公式サイト)』第1話「砂漠に出会う二つの星」の感想です。
ネタバレ注意です。
宿業と二面性のお話なのかな、というファーストインプレッションの感想です。
主人公、デューク・フリード/宇門大介は、地球に来る前と後では一回死んで転生したくらい違う存在と捉えられるので。
ざっくりとは転生前=フリード星にいた時のデューク・フリード、転生後=地球にやってきてからの宇門大介……みたいな二重のアイデンティティを背負うキャラクターを描いていく方向のお話のようです。
転生前のデューク・フリードは、フリード星にいた時に何か破綻的なことを経験しており(「罪」と本人は言っている)、その宿業を転生後、地球での宇門大介に持ち越さないといけないのか? という視点が一つあります。
転生前(象徴的な意味でね)の記憶を思い出しかけた大介が、グレンダイザーごと自分を太陽に自棄して、宿業の清算をしようと考えるのですが……主には兜甲児の存在と言葉で、その「自棄」ルートでの宿業の清算は思いとどまる運びとなる、というのが第一話の見どころだと思いました。
僕の『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の感想で書いたところにおける、「無条件の大介」にはあまりに転生前の宿業が重くてそうそうなれないデューク/大介に対して、甲児が、
「記憶が戻っても戻らなくても、大介さんはここにいろよ」(兜甲児)
との言葉をかけます。これは、デューク・フリードだろうが宇門大介だろうが、「ただのデューク/ただの大介」の居場所がこの宇宙のどこかにある、という希望と受容の言葉に思えます。
二面性、多重アイデンティティの主人公の物語というと、うちのブログ的には『コードギアス 反逆のルルーシュ』ですが。
参考:コードギアス 反逆のルルーシュR2/感想&トラックバックセンター/TURN25(最終回)「Re;」
本作のシリーズ構成は、もろに『コードギアス』でもシリーズ構成だった大河内一楼さんです。人物の二面性・多重性の物語を書かせたら只者ではない方です。
「皇族としてのルルーシュ」「学生としてのルルーシュ」「反逆者ゼロ」の、三つのアイデンティティ、多重性を持った主人公の物語を描いた『コードギアス』という作品の僕の解釈は、上記リンクで書いてる感想のとおりですが。
今作も、デューク・フリードと宇門大介という二面性・多重性がある主人公の物語であるとして(オープニングとか、そんな感じですよね)、そこに、宿業・因果といったものが複雑に絡み合ってきます。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』を経た後だと、おまえはもう、「ただのデューク/ただの大介」としてなんか生きられないんだよ! 的な、宿業的、因果的表現からはプレッシャーを感じたりしてしまうわけですが。
もう、その分ドーンと、物語の後半なり終盤なりで、宿業斬り、因果解消の物語が光り輝くのを、個人的には観たいです。
『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』劇場上映フィナーレ感謝ラジオの冒頭の雑談で、冗談半分で、マイティーストライクフリーダムガンダムが今年の1月26日にフツノミタマをスクリーン上で振るった時に、人類の宿業が斬れた説を語ってましたが(笑)、『グレンダイザーU』もこれ、すごいですよ。
そろそろ、人類の宿業・因果の解消は、日本のアニメにおまかせ! くらいのノリで、『グレンダイザーU』は光を放っていってほしいと思います。
作品を推して、宿業斬りにみんなで参加です(どういう感想だ!?)。また、面白い作品の出現と初動に立ち会えて、タイムリーに追いかけられることに喜びを感じるところなのでした。
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→次回:『グレンダイザーU』第2話の感想へ
【参考リンク】
→【5万人以上に読んで頂きました!】劇場版『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の感想〜三つの愛──無条件の愛、明るい愛、故人の愛(ネタバレ注意)
→当ブログの『コードギアス 反逆のルルーシュ(R2)』の感想
→当ブログの『クロスアンジュ 天使と竜の輪舞』の感想