
相羽です。
今回は、『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)』第7話「マチュのリベリオン」の感想です。
ネタバレ注意です。
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他人の人生を生きているシュウジ。
自分自身の人生ではなく、赤いガンダム(シャア?)の人生を生きてる感。
(ゆえに、自分の言葉というより、「と、ガンダムが言っている」という言い回しが印象的になる)
そのままついに、自分自身の世界ではなくキラキラの向こう側に行ってしまう。
シュウジ本人の世界と人生はどうなってしまうんだ感が漂う中、そんなシュウジに惹かれていたマチュも、自分の人生を生きるというより、シュウジのための人生を生きるような選択・行動をしてしまう。
他人軸で生きてるシュウジを追って、他人軸で生きてしまうマチュ、という他人軸の連鎖。
いわば、シュウジ推しで生きていたマチュとニャアンが、推しが消えてしまった後にどうするのか、どうなるのか、みたいなのが今話。
現代の物語的に考えれば、他人推しをやめて、まずは自分推し(自分を大事に)ができる状態にならないといけないと思う。
他人軸、他人推しに自分をあずけてしまうと、この容易に世界(価値観)が反転し得る現実の中では、自分がブレてしまう。惑ってしまう。
メタ的には、連邦とジオンの勝敗が正史とは逆転していて、容易に世界の価値観は反転し得るということを意識的に作品の構造にとり込んでいるのがジークアクスなので。そういう世界で、世界が反転しようがなんだろうか、確かにある自分の大事なもの、みたいなものを描いていくにあたって、他人軸、他人推しの状態はちょっと不安定な印象です。
(いわゆる「推し活」自体が悪いことというのではなく、まず自分を推せるくらいに自己否定感を手放してから誰かを推した方が健全な関係ではあろう、というようなことです)
ただ、マチュはコロニーでの生活をどこか偽物のように感じていることと、母親のことがあるので、その辺りがステップアップしないと、中々自分のことを肯定する、自分推しになる、自分軸になるのは難しい現段階である、というキャラクター造形なのですよね。
彼女の現在のセルフイメージは「クラゲ」ですが(進路希望の紙に書いてる)、自由感もある一方で、やはりどこか自己否定感と主体性のなさ感が伝わってくる象徴です。
マチュという偽名を使ってるのも、おそらく本来的な自分推しの状態、自己肯定の状態にまだ至れていないという表現なのだと思います。
物語のどこかのタイミングで、マチュは、というかアマテ・ユズリハは、「自分はこれでイイ」ってなってほしいですよね……。
(ただし、シュウジは第4話があるので(何か求めてるものがあるようなニュアンス)、彼がキラキラや赤いガンダムに惹かれている、他人推しで自分軸でない人物という現在の印象は、物語の後半で反転する可能性もあると思ってもいます……)
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●『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』の感想〜三つの愛──無条件の愛、明るい愛、故人の愛(ネタバレ注意)
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小さな言葉を重ねて〜『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』で笑顔になれた話
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前回:『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』の感想〜本当の空(自由)へ向けて走り出すということ(ネタバレ注意)
次回:『機動戦士ガンダムジークアクス』第8話「月に墜(堕)ちる」の感想〜ニャアンの「帰る場所」(ネタバレ注意)
次回:ジークアクスのマチュの好きなところ3つ(第7話時点)
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