今日は軽く、僕の著作権に関する考えだけを紹介。

 ぶっちゃけ、ワリと厳しめに考えています。
 昔はいわゆるファイル共有ソフト何かを使って、漫画なんかが一瞬でネット経由で広がってしまう、時代を変革していくのはいつだって人間の欲望なので、これもネットがもたらす時代の変化かな……くらいに考えていた時期もあったんですが、いざ自分も論文とか発表するようになって、コレ、将来的にまとめて一つの本にするのもアリだな、なんてことを考えはじめたある日、やっぱしネット経由での著作物の拡散は、著者にとっては(お金が入ってこなくて)大困りだよな、と考えを改めるようになりました。まあ当然ですが、著者にお金が入ってこなければ、著者もやる気が出ないので、日本が誇るサブカル文化も死んでしまうな、と考えを改めるようになりました。
 昔、「ちゆ12歳」(知る人ぞ知る一昔前のオタクの聖地的サイト)だったかな、ファイル共有ソフトの存在も視野に入れた新しいお金の流れの枠組みを考え出す時期なんじゃないかみたいな意見が紹介されていて、緩くファイル共有ソフトの存在も時代の流れ的な結びでまとめられていた文章があったんだけど、確かに、枠組みを根本から変えろって主張はカッコいいから、それに共鳴してファイル共有ソフトによる著作物拡散を支持する人もいるようなんだけど、やっぱりさ、そういう人は「枠組みを変えろ」だけじゃなくて、「どんな枠組みならイイか」代案を出さなきゃダメだよね。代案も無しに、自分だけファイル共有ソフトの恩恵で享楽を貪ってるってのは、ちょいとばかし自分に都合のイイ論理を組み立てすぎ。
 で、やっぱりファイル共有ソフトなんかでユーザーには安易に物をゲットしてハッピー、かつ著作者側もちゃんとお金がもらえてハッピー、なんていう素晴らしい枠組み、説得力を持って提案している人には、ここ数年ついぞ僕は出会えなかったんだよね。僕自身が考え出そうと一時友人らと議論した時期もあったんだけど、やっぱし無理。なんで、代案もないのに現行を否定するなんてカッコ悪いマネは僕にはできないので、とりあえず、今の段階で僕は現行の著作権法を支持するしかないかなと、なんで、ファイル共有ソフトによる著作物拡散は、僕的にナシ。一年前くらいからこの考えに落ち着いてます。何か、どこからか颯爽と天才が現れてユーザー、著作者両者にとって素晴らしいシステムを作り上げてくれればいいんですけどね。

 さて、こっから二次創作同人活動の話なんだけど、上の著作権保護の文脈とは逆に、こっちは、あくまで法のグレイゾーンとしての活動なら、多いにアリだと思っていたりします。
 エロ同人誌の話も入れると、一体どっから18禁なのか?などという面倒な議論も入ってくるので、とりあえずエロ無しの普通の同人誌の話しに限定。
 このエロ無し同人誌の場合、上述のファイル共有ソフトの場合に問題となった、著作者側のデメリット、これがかなり薄いのではないかというのがあります。というよりも、むしろメリットに繋がっている部分もある、みたいな。
 すなわちこういう連鎖です。WEB上でステキな二次創作同人絵を描いているサイトに出会った→興味が沸いてきたので原作を買ってみよう。
 この連鎖、絶対あると思うのですよ。自分のブログにアマゾンの広告をつけてからさらに確信しました。現在当ブログの右下に広告つけてるんですが、まだ微々たるものながら、当ブログ経由で商品を購入する人なんかもいるワケです。僕がやってる書評・感想なんかも、広義では二次創作と取れるので、二次創作経由で、著作権者側が(商品が売れて)得することはかなりあり得る。ぶっちゃけ、僕が一級のイラストを描く能力があったとしたら、『武装錬金』、連載終了までに100冊くらい売りさばく自信があります(ちゅーかね、僕の感想読んで武装錬金買ったという報告既に多数、和月先生想いですよ、僕)。
 と、するならば、二次創作側は創作欲を満たせてハッピー、著作権者側も商品が売れてハッピーという、両者にとってプラスになる現象が起こり得るというわけです。おまけに、二次創作層から日本のサブカル文化を担う若手も出てきてさらにハッピーですよ(アニメの原画描きなんかも、今やネット上からスカウトするパターンも多いようです)。
 それでいて、著作権は親告罪(簡単に言えば訴えられてから罪になる)で、依然訴える権利は著作者側が持ってるワケですから、著作者に不利益な二次創作をやってる輩は著作者側で訴えて殺すことができる。コレなら、差し当たって利益の面で著作権者側に著しく不利益なことはないんじゃないかな、などと思います。

 以上の理由で、僕の立場的には、法的グレーゾーンとしての分をわきまえた二次創作同人活動は、アリ。コレが結論です。

■なんでこんな話をしたか

 以上の理由から、今後、二次創作絵を含む、ステキ絵を掲載しているサイト様を、当ブログでも紹介していこうと思います。一人で見てるにはもったいないイラストサイト様が存在します。二次創作に限っては、コレ本家負けてるよ!みたいなのも存在します(注:漫画にしてもアニメにしてもプロは時間と闘いながら描いてるので、時間無制限の素人同人絵を相手にした場合、一枚絵で負けることは普通にあり得る)。

 以上、前サイトで既に二次創作絵を掲載していた僕が書くのも今更な文章でしたが、とりあえず、当ブログのスタンス表明でした。