本日は、先日発売された『機動戦士ガンダムSEEDスペシャルエディション完結編 鳴動の宇宙』のネタバレ感想をお送りします。

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<以下ネタバレ>

 新しく追加された要素として、僕が気づいた範囲では、

 1:アズラエルの過去描写が追加
 2:連合三人衆の一人を、ディアッカが一人で撃破に変更
 3:指輪の伏線となるキラとラクスのイベントが追加

 って、あたりなんですが、僕的に3を入れてくれただけで、・゚・(ノД`)・゚・状態に。良かった。この追加はホント良かった・゚・(ノД`)・゚・

 ラスボスであるクルーゼのネガティブ行動を説明している台詞に、

 「ヤツには、過去も未来も、自分すらないんだ」(フラガ)

 「だから世界を道連れにすると?」(マリュー)

 のやり取りがあります。

 クローンゆえに過去や未来との繋がり、ひいては世界との繋がりを破壊されてしまったクルーゼ、それゆえに世界に憎悪を向けるクルーゼ。一方で、究極の人工生命体としてまったく同じ境遇にいるキラ、それでも最後に「それでも守りたい世界があるんだ!」と叫ぶキラ。この対比がSEED最終章の要だと思うんですが、この対比の中の、キラの最後の叫びのバックボーンを今回のラクスとの追加要素は強力に裏付けてくれました。あまりに良すぎるんで引用。

 「生まれて来ちゃいけなかったのかな?」(キラ)

 「昔、母に言われました 世界はあなたのもので そしてあなたは世界のものなのだと 生まれ出てこの世界にあるからにはと……あなたを見つけて、私は幸せになりました」(ラクス)

 母の指輪(過去との繋がり)を指しながら語るラクス。寄り添う二人のカット。

 こう言ってくれるラクスと出会っていたから(勿論フレイをはじめあらゆる出会い、人との繋がりが最後のキラの叫びのバックボーンになってるんですが)、キラはクルーゼと違って、最後に叫ぶことができる(クルーゼの方は、およそ人との繋がりというものは描かれませんでした)。

 放映時の本編では最後の出撃時にラクスがキラに指輪を渡すシーンが唐突だったんですが、今回のこの追加要素で、指輪に「世界との繋がり」という象徴性が生まれます。コレが象徴性好きの僕にとっては非常に良かった。感動

◇アスラン

 今回気づいたんですが、

 「キミも僕もまだ死ねないんだ」(キラ)

 の所でアスランの憂いのカットが入るんですね。これは、死ねないのはあくまで「まだ」で、全てが終わったあかつきには死のうとしているとも取れる。
 最終話のアスランの行動の伏線です。そして飛び出すカガリの、

 「逃げるな! 生きる方が 闘いだ!」

 感動倍増。やっぱアスランとカガリの物語は完璧にここで決着がついてますよ。DESTINY、蛇足にならないことを祈ってます。

◇それにしても

 最後の、

 「僕は それでも僕は 力だけが僕の全てじゃない!」 (キラ)

 「それが誰に分かる? 誰にも分からぬさ!!」(クルーゼ)

 で入るフレイのカットの所は何度観ても泣ける。

 勿論今回の「鳴動の宇宙」にもこのシーンは入ってます。スタッフ、ちゃんと分かってるんだなぁ。

 そんな感じで、全体として満足の総集編最終巻でした。

 不満だったのは2のなんでディアッカ単体で撃破にしちゃって、あの感動的なイザーク・ディアッカ協力撃破のシーンを無しにしてしまったのかって所くらい(イザーク−ディアッカ物語の帰結のシーンなのに)。これは、DESTINYでイザーク−ディアッカ物語は新たな帰結がありますよ、みたいな意味での変更だったりするんだろうか。それならまあ歓迎だけど。

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