●D.Gray-man
かなり良かったんですが、その分ちょっと惜しいのではないかという気持ちも。もう一押しで、1レベル上の号泣感動話にもなったんじゃないかと。
兄が現れるまではイノセンス適合者としての価値のみで非人間的に扱われていたリナリーは孤独だった。だからこそ「仲間」という存在に価値を見出しているというのが分かりづらかった。もう一、二描写その辺りを入れておいて欲しかった。そういった伏線を生かしながら、リナリーがアレンを「仲間」として認識していくor認識した描写がもう一押し欲しかった。それがあれば、「仲間だからに決まってるでしょ…!!」の部分の感動レベルがかなり上がったんじゃないかと。「仲間」がやや唐突なのが惜しい。同誌でONE PIECEが今「仲間」をキーワードに徹底的に掘り下げているだけになおさら。
ただ、兵器は人を殺すものという話をこの前先に描いておいて、アクマ=兵器、アレンの左手=兵器で同類項、だけどアレンの方は人間(ロード)を撃てないというのは良かった。人気も出てきて長い物語が描けそうって所で、ちょうど良く主人公に精神的な課題が出来た感じ。最終的にどういう昇華になるのか全然分かりませんが。
●BLEACH
弐撃決殺。
イヤ、もうちょっとやる気出して一撃必殺の技開発しとこうよと。
卍解したら参撃決殺になったりしてな。
イヤ、それ弱くなってるだろみたいな。
●よしっ!!
どことない地味さに「サラブレッドと呼ばないで」を思い出しました。すなわち、僕的にはかなり好きな地味さということです。高校で新たな部活、最初は雑用から始まって、諸々の経緯の後に最初に矢を射った時の感動(ここは初めて人を投げたとか、シュートが決まったとか、何に置き換えてもいいんですが)とか大人読者としてはいい感じのノスタルジーです。
ただ連載を狙うとしたら、弓道もわりかしマイナーな題材なんで、ヒカ碁やアイシのようにその競技を詳しく分からなくても面白い漫画にできるかどうか。僕は弓道やったことあるんで、いきなり的に当てたということのスゴさが分かりましたが、やったことない人にはイマイチピンとこなかったかも。
●アイシールド21
相撲部員の人の目はつの丸リスペクトってことでいいんですよね?
●銀魂
定期的に入る定春オチは好きです。
定春オチ、読める人は読めるみたいなんだけど、僕は読めないんだよなー。「定春もいないヨ キノコの回以来見てないヨ」の時点で読める人には読めたんでしょうが。
ただまあ、この台詞で一つ布石を打ってるからこそ最後の定春オチで笑えるってのはやっぱ上手いよね。
●DEATH NOTE
僕の前サイトの8月頃のDEATH NOTE感想以来ひっかかっていた、「既に殺せる条件は整ってるのにどうしてレムはLを殺さないのか」という点にようやく作中説明が。レムが月に好感を抱きつつあるので、今殺すと寿命を延ばすように助けてはいけないという死神の掟に抵触するという説明。この説明だと、第三のキラと接触して相対評価で月のことに好感を持ち始める前、すなわちノートを第三のキラに届けるまでの間にどうしてLを殺さなかったのかという点が説明できないんで、微妙に説明仕切ってないんですが、黒ライトの所行が微妙に肯定的に裏返り始めてるという展開がステキなんでとりあえず良し。
●武装錬金
カズキが作中で最ポジティブに描かれる立ち位置になりましたな。主人公自体は立ち位置としては未熟で、道を模索しながら成長、主人公が最ポジティブの立ち位置にたどり着くのは最後という物語も多いんですが、カズキは既にたどり着いてる感じ。しかしながら、これまで十分にカズキはそういうヤツで、そういう位置に行くまでに成長してるということが描写されているので、違和感はまったく無し。
そして、カズキがすでにたどり着いた感がある分、道の模索者としてある意味読者視点キャラに選ばれたのが剛太。ラストの「どっちが本当の化け物だ…」の剛太の問いは、それこそ読者に考えて欲しいこの作品のテーマの一つじゃないかと。
そして、この手のテーマは単行本コメントなどから察するに和月氏が意識して書いているだろう仮面ライダーを初めとする等身大ヒーローの物語に付き物のテーマです。この前の「仮面ライダー555」では同じテーマに関して、このような表面的な「仲間−敵」、「人間−ホムンクルス(555ではオルフェノク)」という括りを打ち破って、広義の「仲間」、「人間らしさ」を守る主人公を描くという帰結を取ってましたが、この武装錬金はどうなるのでしょうか。今話のラストの剛太で、さらに楽しみ度が加速してきました。打ち切りなんてあり得ない。
◇どうでもいいですが
「大丈夫!なんとかする!!」の所の、言葉の裏でパピヨンと桜花の性質を一瞬で適格に分析する斗貴子さんはステキ。
●未確認少年ゲドー
「不死」の力は人間の限界を超えるものだった。どことなく人間の傲慢を戒める話が多かったゲドーらしい締めだと思います。
そして、死なないはずの不死鳥が死ぬ?という所で、次回「命」のテーマについて帰結をつけてくれて良い最終回を飾ってくれそうです。
今週のジジイがフェニックスの不死性を説明してる所のアカデミックな説明っぷりはそこはかとなく「生物学」を語ってくれていたこの作品らしくて良いです。しかも、ラストということでこれまで子ども向けに抑えていた学問的語りをもうちょっと上のレベルまで解放してるような印象も受けます。次週のラストもアカデミックな解体、帰結に期待。
●ワークワーク(WaqWaq)
最 高 。
先週の、様々な他者の願いを自分の中に受け入れることについての、
「それは想像を絶する不快さを伴うであろう」
というアシャの台詞が全てです。
他者の願い、思想、価値観を一旦でも自分の中に引き受けるのは不快、それでもそれをやるのが異なる他者との相互理解の第一歩。
例え不快でも受け入れたシオと、自分さえよけりゃいいと排他するドレクセル。
ここまでの対比なら最近のいくつかの同テーマの創作作品で見てきたけど、そこからシオの方のみが父とレオ(アシャ)の力を使えるという展開が新鮮にして感動にして燃え。
そうか、不快でも受け入れたからこそ他者の力を使えるのか。
「排他独善」VS「相互理解」の話は沢山見てきましたが、こういう形で相互理解側の強さを描いてくれたのは新鮮でした。確かに障害は多いのだけれど、もしも理解し合えたなら、自分も他者の力を借りることができる。だから強い。
カッコイイ。この漫画も打ち切りなんてあり得ない。
●次週から「ムヒョとロージーの魔法律相談事務所」
上で打ち切りなんてあり得ない!とか書いてますが、新連載発表がこれ一本だったことを受けての強気発言です。新連載一本づつが続いてますね。何か、システムが変わったんでしょうか。
ムヒョとロージーの魔法律相談事務所、怪奇を全否定、人間を全肯定しない描き方など、金未来杯の中では好きな方でした。一位だった「タカヤ」はどうなったんだというのがありますが、とりあえず期待です。
●当ブログでは
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